「残さない」「増やさない」 Vol.1 エッセイスト・平松洋子さん

暮らしのおへそ
2018.12.17

今の自分に何が必要なのかは、
体や仕事、暮らしの状況によって変わっていくもの。
自分が何に違和感を感じるのか。
それを見逃さないことが大事です。

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『暮らしのおへそ』の創刊号で、平松洋子さんにお話をうかがったとき、平松さんは毎朝4時~5時に起き、10時~11時頃には寝るという朝型生活を送っていました。きっかけは、40歳を過ぎた頃、無理がきかなくなったなと、体の変化を実感したことでした。あれから13年。平松さんの暮らしはどのように変化したのでしょう? 新たな「おへそ=習慣」を伺おうとご自宅を訪ねると、玄関には色違いのカッコいいブーツが3足並んでいました。

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自分に合う靴は色違いで買う

「買って、履いて、歩いてみて、自分に合うと思ったら、色違いを買います」。同じ3足買うなら、そのほうが他を探す手間、失敗する無駄もなくて済む。「大人買いとは意味がまた違います」

 

「私、靴は『これだ!』と思うものを見つけたら、無条件に色違いを買うんです。この年になれば、何を身につけていたら自分が落ち着くか、自分らしくいられるかということはわかってきますよね。ふだんから地下鉄3駅くらいは平気で歩くので、私には、こういう歩きやすくて駆け出しやすい靴がいちばん。自分に合った快適な靴が何足かあれば、もうそんなにたくさんの靴はいらないと思い、履かないヒールは全部処分しました」

着なくなった洋服も娘さんに、売るほど持っていた器も大切に使ってくれそうな知人に譲り、今持っているものは減らしながら、ものを「残さない」、新たに「増やさない」ことを意識するようになったそうです。

text:和田紀子 photo:日置武晴

Vol.2に続く

 

Profile

平松洋子

Hiramatu Yoko

エッセイスト。岡山県倉敷市生まれ。東京女子大学文理学部社会学科卒業。食文化と暮らしをテーマに執筆活動を行う。『買えない味』で第16回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞、『野蛮な読書』で第28回講談社エッセイ賞受賞。著書多数。近著は『肉まんを新大阪で』(文春文庫)。

 

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