「sashiki(サシキ)」…おすすめ帖vol.14

おしゃれさんコーディネート
2019.07.27


『ナチュリラ』本誌でも、季節ごとのリアルクローズとそのおしゃれな着こなし方を提案してくださっている人気セレクトショップ「アナベル」。店主の伊佐さんによる「季節のおすすめ帖」連載コラムです。季節ごとのおすすめの品を月に2回、ご紹介しています。

*************************

photo:川本浩太 text:伊佐洋平 model:伊佐奈々

 

自身の「好き」を通して商売として生計を立てるということが、
シンプルでいて、難関であることは私も身をもって理解している。
「無理なのか?」って思い悩むことも多々あるが、
そういう時こそ、気になる人の仕事を覗いてみる。

幸いなことに、私のまわりには、その難関を制している人が何人もいる。
今日ご紹介する帽子、「sashiki(サシキ)」もその一つです。

DSC02898


あらためて聞くと、独立が2000年、「sashiki(サシキ)」を始めたのが2006年という。
記憶が定かであれば、おそらく2006年に神戸のあるお店で白い壁に掛けられた
帽子を手に取ったのが、私と「sashiki(サシキ)」の出会いでした。
あきらかに女性に向けたディスプレーでしたが、つい手に取って、男性である私も
被ってみたくなるような印象でした。

 

DSC09337


文化服装学院のアパレル技術科を出ている佐敷さんは、とにかく手を動かしてモノを作るのが昔から大好きだったという。自分でモノを作り続けられる場所があれば、帽子でなくても良かったのだそうだ。

 

IMG_2387


メンズのクラシックなテーラーが大好きで、どちらかというとファッションよりも道具のような感触のものに惹かれるという。雑貨クラフト的な少し軽い要素とテーラー仕立ての重厚さが混じりあったような感覚のものを常に追い求めている。

 

DSC02901


こちらは同じ型の素材違いです。上は、私が何年も気に入って被っていた佐敷さんの
帽子を素材替えで作っていただいたもの。実は2017年に作っていただいたものなのですが、
少しつばの反りが大きく、気になって保管していました。
それをご厚意で、つばの部分だけ作り直していただいて、今年また販売しています。

 

DSC02924


製造年月日が印字されたラベルには、2017年5月と記されております。
保管にもとても厳しく、以前、帽子を佐敷さんに送った際、かなりしっかりとクッション材を入れたのですが、どうしても箱を立てなければ段ボールに収まらず、立てた状態で送ったことがありました。わたくし的には、箱に入っているから大丈夫かと考えておりましたが、すぐさま電話がかかってきて、、、
「箱がタテになっていたので気になって電話しました。」
「お店では立てて保管してませんよね?」
「立てると箱に入っていても、つばがよれる可能性があるのでやめてくださいね。」って。

 

DSC08825


正直、少し驚きもありましたが、それよりも安心感と敬意のほうが大きく勝りました。
このスタンスこそが、売り買いの対等な関係だと思うのですが、なかなか徹底してできることではないこともまた事実です。そんな人がすべて自分で作った帽子だからこそ、
こちらも自信を持ってお客様にお勧めできるのです。

 

DSC02909


そんな佐敷さんのこだわりは細部まで行き届きます。
こちらは今年入荷したパナマ帽ですが、実はパナマ帽は帽子の形に編まれた状態で佐敷さんのもとに届き、そこから佐敷さんがいわゆる型入れと仕上げを施していくわけです。

 

DSC02918


エクアドルの職人が手掛けたパナマには、一つ一つ刻印が押されています。

 

DSC02915


まったくのゼロから作るブレードと異なり、すでにエクアドルの職人さんが編んだ状態のものが届くパナマ帽には、つばの縁取りに特徴的な編み柄があるのです。
しかし、手編みで作られたこれらは、つばの広さがバラバラで安定せず、たいていの
ブランドが、この「可愛い縁」を切り落として、「均一化」を図るのだそうです。
佐敷さんは、この可愛い縁をそのまま生かしたいがために、必要個数の2倍の量を発注して、同じ出荷先に同じ程度の広さのものが行き渡るように細かく管理しているという。
とにかく、自分のやりたいことに真っすぐで、誠実なのだ。

 

LRG_DSC00849


我が家には、この形の帽子がいくつかある。
ずっと作り続ける形が多い「sashiki(サシキ)」では、気に入った形を素材違い、
リボン違いで楽しむことも容易なのです。

 

DSC08948


修理の対応も素晴らしく、汗を吸い腐食しやすいボウタイの交換、リボンの交換、
ブレードに関しては、縫い目がほつれて穴が開いても簡単に修理をしてくれる。

 

IMG_1795


「ISSEY MIYAKE」のパリコレの帽子を20年前から陰で手掛けてきた佐敷さん。
自身が作る帽子とは全く違うアプローチでモノが出来上がっていくプロセスは、
毎回感動し、勉強になるという。

2006年、ずっと欲しかった、ずっとモノを作り続けられる場所を手に入れた佐敷さん。
そのお店は、さながら小さなオートクチュールのようなものなのかもしれません。

 

sashiki 帽子各種 ¥18,000+tax~¥36,000+tax

 

←その他の「アナベル」の記事はこちらから

アナベル

神奈川県横浜市青葉区美しが丘2-20-1美しが丘アレービル104 
東急田園都市線たまプラーザ駅から徒歩5分
℡:045-482-4026
営業時間:11:00~20:00 水曜定休
http://www.f6products.com/
https://www.instagram.com/annabelle_104/

Check it out

あなたにおすすめ

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

ページトップ