素敵な器を使った朝ごはんコラム、4月担当は「THE SHOP 十二ヵ月」柿沼さん
はじめまして。
愛知県名古屋市で工芸ギャラリー&カフェ「THE SHOP 十二ヵ月」を営んでおります柿沼と申します。4月担当のご縁をいただきました。ひと月間よろしくお願いいたします。
当店の在る中区上前津は、賑やかな大須商店街の直ぐ南に位置しています。大須は県内外から多くの方が訪れるお出かけスポットですが、通りを隔てたこちら側は名古屋城下の寺町のなごりがある街。市内の中心地に程近いのですが、ゆっくりと時間が流れている空気があって、居心地のよさが私たちのお気に入りです。
この地に居場所を見つけて、早いもので28年が経ちました。インテリアデザイン業を営む私たちが独立するにあたり、「暮らしを彩る手しごとを、フランクに扱うギャラリーが在ったらいいのに」と思い、併せて計画したのが十二ヵ月の始まりです。
その頃の名古屋では、工芸作品としての器は、閉鎖的と感じてしまうギャラリーで扱われていることがほとんどでした。20代半ばだった私にとって、そのドアを開けることすら少し勇気の要る、敷居の高い場所というイメージでしたね。
また、インテリアの仕事では、思いの詰まった店舗や住宅という箱を作っても、その中に足していきたいと思えるモノを集めることに苦労しました。
それならば、自分たちで作り手の思いを感じられるモノたちを集めて、誰もが気兼ねなく通えるショップ型のギャラリーを…。カフェも在れば使い心地も確かめられるし工芸好きさんが集えるね。などと思いが膨らみ、名古屋初と言っていただけるスタイルのギャラリー&カフェは産声を上げました。
陶磁、ガラス、漆、金工、木工、織り、編み、和箒など、さまざまな生活工芸をご紹介しているギャラリー。
今では作家ものを扱う素敵なギャラリーやお店が身近に充実していて、嬉しい時代になりました。この年月が流れる間に、私たちが担うべきことも自然と変遷してきたように感じています。
手しごとやその背景にある思いを知っていただくことから、モノと向き合うことの豊さに気づいていただくことへ。そして、次世に繋げるべきモノやコトを一緒に考えていくことへ。
ワークショップやイベントは、これらをお伝えする場として企画している、十二ヵ月にとっての草の根運動と考えているものです。大人が本気のモノづくりを終えた時に、新しく芽生える気づきや思いがあるはずです。
スツールウィービング、機織り、木皿づくり、木桶味噌仕込み、など、今年も4月から楽しいシーズンを迎えます。
作家ものの器でサーブするカフェ。自家焙煎コーヒーに、スイーツ、フード、ギャラリー&カフェとして、新たなメニューが加わる時には、新たな器も生まれます。
カフェのメニューでは器づかいも限られますが、手しごとを肌で感じていただき、暮らしの中で愉しむ入り口になってくれたらと思っています。
さまざまな個性をもつコーヒーは、器によって味わいも変わる気がするから面白いところです。ちなみに私の好みは、浅煎りフルーティー系には薄手の白いカップを、深煎りビター系には重厚感やザックリ感のあるカップを。ワインによってグラスを変えるように、コーヒーもカップを変えて味わうのが理想的なように思うのです。
器や道具、好きなものや好きな味わい。何を選び、どんな風に愉しむのか。
それら一つ一つが暮らしをデザインするということ。その気持ちに寄り添っていけるように、これまでに培ってこれたことを、みなさまにお返ししていけたらと考えています。
愛知県名古屋市中区上前津1-3-2-1F
TEL:052-321-1717
営業時間:10:00-18:00
定休日:火曜 (年末年始・お盆・連休は変則の場合あり)
Official site:https://www.jyunikagetsu.com
Online shop:https://online.jyunikagetsu.com
Instagram:@jyunikagetsu
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