日本の文化を愉しむ朝ごはん
「THE SHOP 十二ヵ月」柿沼ひとみさんvol.2
こんにちは。愛知県名古屋市「THE SHOP 十二ヵ月」の柿沼です。
2回目の今日は、最近プチ・マイブームな朝ごはんです。
朝はパン派だった私が、最近おにぎりを握ることが増えました。理由は3つ。美味しい味噌が作れるようになったこと、美味しいお米に出会えたこと、いつでも手軽にお腹を満たすことができること。
この日のメニューは、おにぎり、だし巻き卵、作り置きの副菜に彩り野菜も添えて。フルーツに緑茶も。
夕飯の副菜は多めに作って、翌日の朝食や昼食の足しにしています。慌ただしいと食べ損ねてしまうことも有るので、作り置きは大助かり。器に盛ったら、おにぎりの仕上げをして、いただきます!
和食は、器ごと日本を感じられるスタイルで。古き良き伝統や文化を継ぎながらも、今の暮らしに寄り添えるモノたちがいいですね。器のお陰で、いつものおかずは目でも愉しむごはんになれます。
■wappa & / わっぱ盆
塩むすびに手前味噌を塗るだけのおにぎりが気に入り過ぎて、美味しく食べられる器を探しました。わっぱのお盆をお皿のように使って盛り合わせれば、お弁当のようなワクワク感のある一皿に。
更に、わっぱの食器としての用途を広げたくなり、深さがあるタイプを企画してしまいました。別の日には、残りものの桜エビのご飯を盛って、春の一皿に。
古くから伝わる日本の美しいモノたちは、使う人が在ってこそ次世代に継ぐことができます。曲げわっぱと言えばお弁当箱を一番にイメージしますが、それでは使い手は限られますね。日々の中で多くの人に使ってもらって、裾野を広げることが大事だと思っています。
白木は、色染みやお手入れの心配をされがちですが、繊細に考え過ぎる必要は有りませんね。調味料などの濃い色が着かない訳ではないですが、使っていくと薄くなり馴染みます。使う前に濡らした布巾やキッチンペーパーでサッとひと拭き。洗浄後はよく拭いたらのんびりと乾かして。愛でる気持ちで少しだけ気遣いができたら、何てことありませんよね。
■小山加奈 / 杉木桶
その味噌は、木桶に無農薬・無化学堆肥で育てられた大豆や米麹で仕込みを始めて、2年目になります。味噌仕込みを検討していた矢先に、知人が木桶職人になったことが後押ししてくれました。木桶での発酵がいかに優れていて理想的かや、途絶えそうな木桶文化を復活させるための活動が全国に湧き上がっていることも知り、ますます木桶でと思うようになったのです。
こうして出来上がった味噌の何と美味しいことか。気持ちが上乗せされているのかもしれませんが。(笑)
味噌とおにぎりの相性が抜群過ぎて、冷めても美味しいお米を探し、始まった
プチ・マイブーム。握っておけばいつでも食べられるので、お昼が忙し過ぎたら午後のおやつにもなります。夕方に摂る炭水化物は、貯筋に効果的らしいですね。そんなことも気にしたいお年頃です。
■斉藤幸代 / 花小鉢
■水谷和音 / 三ツ葉豆鉢
草花をモチーフに器を制作されることの多いお二人。
「型打ち」による凹凸で意匠が描かれた斉藤さんの器は、繊細な模様が儚げな表情を見せ、日本の心をくすぐります。
藍と鉄茶の溶け合いが美しい水谷さんの器は、古くから親しまれてきたこの色合いに身近な日本を感じます。
円や四角の器が並ぶテーブルに、変形の器を小さくアクセントとして挿すのが私好みです。小皿や豆鉢は、色の紋様が主張し過ぎると料理や食材の彩りと重なり合ってしまうので、絵付けのものよりシンプルな色彩で形を見せるものを自然と選んでしまいます。控えめだけれど存在感が光る名脇役は、バリエーションがたくさん有ると愉しさが増えますね。
■岡村宜治 / 三島手カップ
古くから伝わる「三島手」も、作り手次第で「北欧を感じる」と言われる器に。小さな印判模様の連続には、手しごとらしい覚束なさも現れて、じっと見ていると愛しく感じます。
「三島手」という技法をご存知ない方には、「灰色に白の菊模様が印刻された土鍋がそれですよ」とお教えしています。すると、伝統として普及しているものと、作家の意図が込められた現代陶芸作品との違いに、関心を寄せてくださる方が多いですね。そんな会話が好きで、つい器話しに花が咲いてしまいます。
■うるし劇場 加藤那美子 / 漆の木を植える箸
■錫箸置 青海波
■PACE / BOXランチョンマット
お箸は手や口への馴染みで選びますが、箸先は自然素材にこだわっています。
口に入るものなので、漆またはオイル仕上げのものを。
そして、この箸は確かな質はもちろんのこと、作家さんの活動に賛同する気持ちも大きいです。全国で、ウルシの木も漆の樹液を採る漆掻きさんも減っています。このお箸の売り上げは、作家が行なっているウルシを植栽して畑を育てる活動を支えています。
箸置きは、古くから吉祥文様とされてきた錫の鋳込みのものを。
吉祥文様も若い方には馴染みが薄いかもしれません。縁起が良いとされ、慶事や厄除けなどの意味が込められていますね。日本の美しい文化として残していきたいものの一つです。
ランチョンマットは、当店のオリジナルとして制作していただいている織布を。
器を引き立てる上質な一枚を選びたいですが、日常使いのモノは、お手入れのし易さも重要なポイントですね。手織り布なのに洗濯機で洗えると、とても助かります。荒土の器ではテーブルを傷から守る役目もあるので、作家ものの器を愉しむためにも、揃えておきたいアイテムです。
愛知県名古屋市中区上前津1-3-2-1F
TEL:052-321-1717
営業時間:10:00-18:00
定休日:火曜 (年末年始・お盆・連休は変則の場合あり)
Official site:https://www.jyunikagetsu.com
Online shop:https://online.jyunikagetsu.com
Instagram:@jyunikagetsu
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