〜乾燥に備える「乾燥季」の献立〜 茂田正和さんの食べる美容 料理教室レポートvol.3レポート【後編】

食べる美容 料理教室
2024.10.05

健やかで美しい肌を保つライフスタイルをデザインする、化粧品『OSAJI』のブランドディレクター 茂田正和さんは、プロの料理人も思わず唸るほどの料理の腕前の持ち主。著書『食べる美容』(主婦と生活社)では、季節ごとの肌悩みをケアする美容養生食を提案し、レシピ作成から調理まで担当。そんな茂田さんが自ら講師を務める料理教室が合羽橋の『釜浅商店』イベントスペースでスタート!耳寄り情報満載のレクチャーの様子を、不定期連載にてお届けします。



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化粧品ブランド『OSAJI』のブランドディレクターにして、書籍『食べる美容』著者の茂田正和さんが、実際に調理しながら健やかな美しさを育むためのレシピを伝授してくれる料理教室。第3回目の献立は、肌はもちろん体全体のうるおいを保持する力をつけ、乾燥によるくすみを防ぐことを目的に構成された4品です。


後編では、書籍の中の「乾燥季」の章で紹介されている人気レシピ「ココナッツ香るはらこ飯」、体づくりに必須のタンパク質をしっかり摂れる「豆乳とかぶのスープ」の調理の様子です!

まずは、かぶの豆乳スープの調理を済ませ、ご飯は炊きたてをいただくべく最後に調理をします。

 

かぶの豆乳スープ


豆乳のまろやかさに、鶏出汁の旨みを吸ったかぶの食感&淡い苦味がマッチしたスープ。急に肌寒くなる初秋の夜や、ちょっと小腹が空いた時にも良さそうです。


少しずつ水を注ぎながら、鶏むね挽肉をほぐしてかき混ぜていきます。肉から旨みが出やすくなって出汁が取れるので、あとは生姜を一片入れて火にかけるだけ。

「これだけで、アクを引かなくても、透明なスープができるんです」。
なんと時短な手法でしょう!

「生姜の代わりにニンニクとネギを入れたらラーメンのスープにぴったりですし、ご飯を入れて鶏雑炊も美味しいですよ」


スープが沸騰したら切っておいたかぶを入れ、味付けは白醤油と味醂で。かぶが柔らかくなってきたら豆乳を合わせ、弱火にして時々かき混ぜながらコトコトと火を入れます。ひとつまみのベーキングパウダーを入れてから豆乳を合わせ、盛り付け後、ラー油と白胡麻を加えてコクのあるピリ辛風味に。

「とにかく美容の第一歩は、インナーケアで体を構成するタンパク質の必要量を確保すること」と力説する茂田さん。摂取したタンパク質は、体の機能維持に優先して使われるため、当然ながら肌に届くのは最後。タンパク質不足は肌の構造の脆さに繋がり、肌状態が揺らぎやすくなってしまいます。


自分に必要な1日の必要タンパク質量の出し方については、第2回に茂田さんの解説を掲載しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

〜陽射しに備える「盛夏」の献立〜 茂田正和さんの食べる美容 料理教室レポートvol.2レポート【後編】

 

ココナッツ香るはらこ飯 

ココナッツミルク、鮭、いくらという異色の素材合わせに、参加者の皆さん興味津々のはらこ飯。


「鮭の身といくらを使った東北の郷土料理であるはらこ飯を、ココナッツミルクを入れて南国風味にするという暴挙に出たレシピ(笑)ですが、1.5合のお米に水270 ml、そこに普通の炊き込みご飯の味付けの要領で酒大さじ1、味醂大さじ1、白醤油大さじ1、塩小さじ1/2を入れて、ココナッツミルクは大さじ2です。あくまで風味づけの量なので安心してくださいね」


浸水したお米をごはん釜に入れて、水と調味料各種、そして細かく千切った鮭とばを入れて軽くかき混ぜてから火にかけます。鮭とばから出汁が出て、より奥行きのある味わいに仕上がるのだそう。一方で、鮭の切り身は蓋をして沸騰を待つ間に軽く網焼き、蒸らしの時に蓋を開けて素早くのせます。


仕上げにいくらとディルをのせ、レモンを添えて完成!先にレモンを絞ってから混ぜ混んで盛り付ける、あるいはそのままで混ぜて少し食べてから後半にレモンを絞って味変しても。

「鮭は、体内でほとんど生成されない必須脂肪酸のEPAやDHAが多く含まれています。いくらは、良質なコレステロールが摂れる食品です。コレステロールは、肌のバリア機能の要となる細胞間脂質の材料。悪玉化すると体に悪影響を及ぼしますが、この悪玉化を防いでくれるのが血液をサラサラにするEPAやDHAです」

ご飯を蒸らしている間には、茂田さんによる「肌が乾燥すると、なぜくすんで見えるのか?」というメカニズムのレクチャーがありました。


空気が乾燥していく秋冬は、誰でも角層からうるおいが蒸発しやすくなる時期。しかし、食事による体の内側からのケアで、角層の隙間が細胞間脂質でしっかりと満たされていて、一つひとつの角質細胞の中にあるゼリー状の天然保湿因子(NMF)が充実していれば、肌のうるおいはきちんと保持できるのだそう。

きちんとうるおいが保持された角層は、キメがふっくらしているので光を均一に反射して透明感のある肌に見える。つまりその逆、うるおい不足の角層は、キメが萎み肌表面が凸凹としてしまうため、光がきれいに反射せずくすんで見える、ということ。

また、秋から冬は気温が下がるので毛細血管の働きが低下。角層のターンオーバーが低下しやすくなっているので、血流アップのための食べ物ケアも必須に。


「今日のレシピは、肌の基礎材料であるタンパク質、天然保湿因子(NMF)の主成分アミノ酸、血流アップのナイアシン(ビタミンB3)、細胞間脂質の合成に必要なコレステロール、どれも摂れるようになっています。この栄養ポイントを日々の献立に生かして、ぜひ乾燥しにくい肌を育んでくださいね」

次回の『食べる美容』料理教室は、少し先の11月下旬に開催されます。
乾燥と寒さがいっそう極まる時期を前に、今日のレシピポイントを強化した献立が登場予定。毎年、冬場にカサカサ肌に悩まれる方には有用な情報が満載の数時間となりそうです!

photo:小松原英介 text:石塚久美子

 

『HEGE』直火鍋φ250直火鍋 

『食べる美容』


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【食べる美容 料理教室 Vol.04 開催概要】
11⽉|”寒さに備える”「厳冬」の献立
いよいよ冬本番、空気の乾燥もさることながら、気温が下がることで血行不良や肌のくすみが出やすい季節になります。
冬の乾燥対策は発汗を促すとともに、血液をよくするケアが重要。発汗促進は、汗とともに流れてしまう潤い成分を肌にしっかり補給することも大切なポイントです。そんな、冬に向けた食事のポイントを楽しく美味しくお伝えします。

献立
・牛とろろ鍋
・ほうれん草の八丁味噌サラダ
・牡蠣と芽キャベツの酒盗アヒージョ
・塩麹生姜飯

開催日時
2024年11月29日(金)18時〜20時30分
2024年11月30日(土)11時〜13時30分
講師:OSAJIブランドディレクター / 茂田 正和
開催場所|釜浅商店(包丁売場4Fイベントスペース) 東京都台東区松が谷2丁目24−1
受講料:10,000円(税込)ドリンクご利用分は別途頂戴いたします。
定員:各回16名
応募方法:Peatixにてお願いいたします。
※料金(材料費、講習費、実食分)の費用となります。
持ち物等:手拭き、筆記用具、エプロン
注意事項:当日は記録のため撮影が入ることがございます。ご同伴者がいらっしゃる場合は、ご予約の際に備考欄へその旨をご記載ください。お料理によっては複数人での共同作業がございます。

Profile

茂田正和

Masakazu Shigeta

音楽業界での技術職を経て、2002年より化粧品開発者の道へ。皮膚科学研究者であった叔父に師事し、肌にやさしい化粧品づくりを追究する中で、健やかな美しさにとっては五感からのアプローチも重要と実感。2017年、スキンケアライフスタイルを提案するブランド『OSAJI』を創立、ブランドディレクターに就任。2022年には、香りや食から心身を調律するOSAJIとレストランの複合ショップ『enso』(鎌倉・小町通り)を手がけ話題に。同年9月、初の著書『42歳になったらやめる美容、はじめる美容』(宝島社)を出版。2023年は、日東電化工業のめっき技術を活かした器ブランド『HEGE』のプロデュース、そして日東電化工業より分社化された株式会社OSAJIの代表取締役に就任と、自身にとって大きなターニングポイントの年となった。

Instagram : @masakazushigeta
https://shigetanoreizouko.com/

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