富山編vol.4 早起きして出かけたい!「富山のみの市」
黒部峡谷や3,000メートル級の山々が連なる立山連峰、ダイナミックな山岳風景が魅力の富山県。日本海に生息する800種類の魚のうち500種類の魚がいるといわれる富山湾は「天然のいけす」と呼ばれ、新鮮で美味しい魚介類が味わえます。
今回の案内役は富山市で生花店を営んでいる「Atelier ANORM(アトリエアノーム)」の西淵吏英さん。富山市内を楽しく歩いて回れる選りすぐりのスポットをご紹介してくださいます。
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こんにちは。Atelier ANORMの西淵吏英(にしぶちりえ)です。
寒い富山の冬は、この土地に暮らす私でも外に出るのは億劫になりがちです。雪が積もると除雪に追われ、朝からへとへとになってしまうことも。それでもこの日だけは早起きして出かけよう!と思えるのが毎月第1日曜(1月は初詣があるので第2日曜日)に富山縣護國神社で開催されている「富山のみの市」です。昭和59年から雨でも雪でもほとんど休むことなく続いています。
護國神社は富山市の中心部、地元の人々の間では「平和通り」の愛称で親しまれている大通りの端にあり、裏手には神通川が流れています。春は裏手の桜、秋には大通りの銀杏並木が見事で、晴れた日の立山連峰の眺めも最高です。(景色の素晴らしさは写真ではなかなか伝えられないので、ぜひ肉眼で...!)
6時すぎからアンティークや古美術、レトロな雑貨に着物に器、採れたての野菜や季節の花など所狭しとお店が並び、掘り出し物を求めて多くの方が早起きして出かけます。両手があいていると商品を手に取ったり店主ともやりとりしやすいので、みなさん身軽で暖かな服装です。8時ごろまで混み合っています。
11月の取材時は晴天だったので160軒が並び、来場者も1600人ほど!12月は雨模様だったので出店者も来場者も先月より少なかったけれど、その分ゆっくり見て回れました。
私は着いたらまず腹ごしらえ。境内を入って右手の土俵前にある「たかこゆきやさい」のブースへ行きます。おにぎりと汁物の朝ごはんセットが人気です。店主と朝の会話を楽しむお客さまで列をなすこともあります。(出店されない月もあるのでインスタグラムで事前に確認がおすすめです。)
お腹が満たされ温まったらいよいよ見てまわります。のみの市に出店して35年の骨董屋の店主と話しながら目ぼしい器をカメラ越しに見ていたところ、骨董好きの男性がさらりとその器を手に取って購入されたので話しかけてみると、沖縄のすでに亡くなった作家のものだと教えてくれました。「骨董は出会いだから、その器についてわからなくても感覚で選んで良いし、手が届く範囲で楽しんで買ってみるといいよ。」と。店主とも親しくされているお客さまらしく、「この人は私より詳しいんだよ〜」と笑いながら話してくれました。
山の植物や苗木を並べているお店では植物好きの方が集まります。お花を手にしている方を見かけるとつい嬉しくなってしまいます。花壇や畑などで見かけるような野菊や低木、山野草などが多いので、株分けしたものを譲り受けるような気持ちで私も気に入ったものを見つけては選んで持ち帰っています。
天気の良い日は愛犬を連れて朝の散歩がてら来られる人も多く、鳥居前にはワンちゃんが大集合。初めて出会う方とも会話が弾みます。のみの市の醍醐味はこうした出会いや会話だなぁと行く度に感じます。早起きして朝から良い気分で1日が始まります。ぜひご旅行とタイミングが合うときは行ってみてください。
〒930-0077 富山県富山市磯部町1-1
富山縣護國神社
時間:5:00-12:00(4〜10月)・6:00-12:00(11〜3月)
(問い合わせは富山のみの市実行委員会)
http://www.toyama-gokoku.jp/nominoichi/
※のみの市には駐車場がないためお車でお越しの場合は河川敷に駐車ください。
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