生活を灯す、「FUTAGAMI」の真鍮ペンダントランプ

今日のひとしな
2020.09.08

「明かり」は、家のなかでも、生活のなかでも重要な存在。
その昔はなんとも思っていなかった照明も、部屋の用途やシーンによって使い分けることで、より心地良い暮らしができると知ったのは、「自分の暮らし方」を大切にするようになってからでした。


今日ご紹介するのは、真鍮の生活用品ブランド「FUTAGAMI(フタガミ)」のペンダントランプです。
付属するのは60Wの電球がひとつ。オレンジ色のあたたかな光は、ダイニングや寝室などのくつろぎ空間に適しています。
白熱球の光は食欲をかきたてる赤を鮮やかに見せ、また陰影がはっきりし立体感が出るため、料理をより美味しそうに見せてくれる効果もあるそうですよ。

そしてシェード。真鍮は金のような美しさがあり、金属ながらどこかあたたかで落ち着いた表情を持っています。
また、無垢の真鍮は経年変化が美しく、徐々に濃い色合いへと変化していきます。
変化は生活を共にしている証。ふとランプに目をやり「濃い色に育ったな」と感じたとき、ランプを迎えてからそれだけの月日が経ったこと、そして過ぎた日の出来事を思い、きっと感慨深く思うことでしょう。


「フタガミ」で特筆したいのは、その特徴的な表面のざらざら。
「鋳肌」という砂型の表情を残したもので、アイテムによって、ざらざらそのままだったり、磨いてツルツルにしたり、叩いて表情を出したり。
その対比も美しくて、初めて目にしたときは「真鍮って、こんな品もあるんだ!」とちょっと感動してしまいました。

そしてもう一つの仕上げ、「黒ムラ」。こちらもひとつひとつ表情があり、経年とともに味わいが深まっていきます。
女性の私も「これはかっこいい!」と感じる仕上げ、きっと男性にも人気ではないでしょうか。
鋳肌、黒ムラともに様々なデザインがあり、迷ってしまうほど選ぶ楽しみのある品々です。


照明選びで大切にしたいのは、使うシーンによるセレクトと、インテリアとしてのデザイン性。
「フタガミ」のランプは日中の佇まいも美しく、空間を大きく印象付けてくれます。
明治時代から続く技術で、デザイナーの大治将典さんとともに生み出される真鍮のペンダントランプ。
時代を繋いで届く、古美であたたかな光。ちょっとロマンを感じてしまうのは私だけでしょうか。


ところで、吊り下げ照明の呼称としては「ペンダントライト」が一般的かと思いますが「フタガミ」の名称は“ペンダントランプ”。
辞書によると、ライトは照明器具や光源を指すのに対し、ランプは昔ながらの灯油などのランプや電灯、灯火といったものを指すそう。あたたかなオレンジ色の光を灯す。これは勝手な私見でしかないのですが、灯すという言葉のイメージは煌々とした明かりではなく、ほんのりと明るくあたたかな火が心に温もりをくれる、そんなほっとする空間づくりができる。「フタガミ」のペンダントランプに、私はそんなイメージを抱いています。

text:ミキ

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