トライバルラグって何?

今日のひとしな
2021.10.01

~ 「エイトデイズ」より vol.1 ~

最近ネットやSNSなどでもよく見られるようになったトライバルラグ。ご存知の方も多いと思います。一般的には遊牧民が織ったラグ、と理解されていますが、実情は様々なものがあります。自分も含めて、販売する側があまり理解できていないことも多いようです。そこで今月はトライバルラグを30年以上にわたり扱ってこられた「tribe(トライブ)」の榊さんにご協力いただき、この遊牧民を起源とする西アジアの織物を中心に(一部雑貨類や洋服なども交えまして)ご紹介していく予定です。どうぞよろしくお願い致します。

日本ではラグというと敷物に使えそうな生地全般を指すことが多いですが、本来は絨毯のことです。「トライバルラグ」という言葉自体は、「絨毯(ラグ・カーペット)」と「キリム織」の総称として使われています。


トルクメンのメインラグ

 

絨毯(ラグ・カーペット)は経糸(たていと)と緯糸(よこいと)の間に糸を通して結んで切る「パイル織」という構造になっています。
結び目には大きく分けて対象結び・非対称結びの2種類があり、部族などを識別する際の判断材料にもなります。細かく織られるというのは要するにこの結び目が多い事なのですが、トライバルラグの場合は、織目が細かいことや正確な事が良い絨毯とは限りません。毛足の長さや織目が均一でない、、というのは、むしろトライバルラグの魅力の一つと言えるでしょう。厳しい遊牧生活の中で育まれた彼らの世界観を感じることができるラグやキリムには、一言では言い表せない魅力が沢山あります。またオリエンタルカーペットという総称には、いわゆるペルシャ絨毯も含まれます。ペルシャ絨毯は、大きな工房でデザイン画をもとに精密に織られる絨毯を指すようです。


ラグの裏側 結び目がびっしり並んでいます

 


上段が非対称結び、c,d,f,gはトルクメン絨毯などに見られるたて糸が奥に入り込んだ構造

 

一方キリム織りは、たて糸に対してよこ糸を絡めていくことによって柄を作る平織りのものになります。綴れ織やスマック織などの沢山の技法があるので、構造を理解することが絨毯より難しい気がします。


シャーセバン族の綴れ織りキリム


1枚のキリムの中に様々な技法が盛り込まれているものも多く、織る手間はラグに匹敵するそうです。ほとんどの遊牧民がラグと同様にキリムを織りますし、シャーセバン族のようにほとんどキリムしか織らない遊牧民もいます。日本でもワークショップなどを開いてキリム織を広めておられる方が何人かおられますので、ご興味のある方は参加されてみるといいかもしれませんね。



『SPINNUTS No.105』に掲載された織作家矢野ゆう子さんによるキリム織りの解説


遊牧民のラグには、その生活に根ざしたさまざまな用途があります。主なものとしては、敷物(メインラグ、祈祷用、食卓布)、掛布(エンシ、パルダ、モジェ)、袋物(ホールジン、マフラッシュ、ジュワル、バーリシト)、などに分けられます。詳しくはそれぞれの絨毯についての記事内で説明していく予定です。

 

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