江戸時代から続く「外山刃物」剪定鋏の衝撃と、当店オリジナルのレザー
~「LIFETIME」より vol.9 ~
「高木の剪定作業中、鋏を落として冷や汗をかいた」と、ある園芸家との会話がきっかけで鋏に付けたループ紐。さらに、事故で首を痛めたフローリストから「握力が弱いので助かる」と聞けば、もう標準装備しないわけにはいきません。
お客様がこの剪定鋏を購入される理由の大半は、見た目の美しさ。
そもそも鋏本体に革を巻いたのは、手に優しいから。さらにループ紐に腕を通して使うと、切断時の衝撃が驚くほど和らぎます。冬場の剪定作業では、鉄が剥き出しの鋏は驚くほど冷たいもの。罰ゲームかと思うほど切断の衝撃に痛みを感じる寒さの時には、なおさらループ紐があることの良さを実感します。
ハンドルに取り付ける緩衝材としてこだわり抜いた、この革巻き。
国内屈指のタンナー栃木レザーを使用していて、長く使うことを前提に風合いの変化にこだわった革を選んでいます。単に革を巻くだけでなく、鋏の肩の部分まで巻いているのは、腕利きの職人だけが成せる技です。
鋏の製法や材質の違いや目的によっても選び方は異なります。
サイズも様々、力の弱い女性の手でも握りやすいタイプのものもご用意しておりますので、是非お店でお尋ねください。
ネイビーのものは、NHK「趣味の園芸」などの番組でもおなじみで、2015年に惜しまれつつ他界された園芸家・柳生真吾さんから生前ご依頼いただいて制作した、“柳生真吾モデル”。
今なお多くのファンに愛されている彼の功績を称え、生前彼が代表を務めていた「八ヶ岳倶楽部」と一緒に制作し続けています。
(※ちなみに「八ヶ岳倶楽部」というのは、もともとは彼のお父様で俳優の柳生博さんが、広大な雑木林全体を管理し、その中にギャラリーやレストランを設けた園芸施設です。山梨県・八ヶ岳の自然を満喫できますので、お近くにお越しの際はぜひ寄ってみて下さいね)
当店のオリジンルブランドとして展開しているこれらの「WORKS & LABO.(ワークスアンドラボ)」の革巻き剪定鋏は、刃物の町・新潟県三条市で江戸時代(1861年創業!)から続く「外山刃物(とやまはもの)」の剪定鋏に革巻きを施しています。最も信頼のおける植木鋏メーカーでもあります。
「外山刃物」との出会いは、2009年に名古屋高島屋のガーデニング催事に、イギリスの園芸道具専門店として出店した時のこと。目の前のブースがその「外山刃物」でした。しかも、四代目の秀久さんが在廊されていました。
期間中、鋏のことを教わり、様々な種類の鋏で実際に切らせてもらって衝撃を受け、今なお当店で「外山刃物」を取り扱っています。
「取り扱いは大切に!」「ご縁は大切に!」という今日のひとしなでした。
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住所:京都市北区紫野上築山町21
電話:075-415-7250
(※少人数での運営の為、お電話に出られない時があります)
営業時間:13:00~17:00
定休日:水曜、日曜
HP : https://lifetime-g.com/
instagram:@lifetime.kyoto
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