早起きの日のちらし寿司朝ごはん
「うつわSouSou」中林可奈子さん vol.2
こんにちは、愛媛県松山市の「うつわSouSou」中林可奈子です。2月の朝ごはんコラムを担当します。
すっきりと朝早く目覚めた時、その勢いだけで黙々と料理をすることがあります。そうして張り切って作った時こそ、初めての器を試してみます。
ある日は……
ひじき煮を作り、おにぎりに。お豆腐も水切りして、茹でた青菜と白和えに。ちょっとだけ丁寧に玉子も焼いてみたり。これだけで1時間は過ぎてしまいますが、さらに器にどう盛ろうかと考えをめぐらせます。こんなふうに、たまに集中するのが気持ちいいのです。
・大沼道行 縁黒・黒釉・織部・黄磁ドットの八角長豆皿に常備菜。
隣にスーパーがあり、勝手に我が家の第二の冷蔵庫・食品庫だと思っていて基本的にはその日に食べる分だけ取りに!?(買い物に)行きます。でも思いつきで、4~5種類くらいせっせと常備菜を作ることもあります。なぜ、朝にわざわざ?
これには、我が家ならではの理由があります。
ほぼほぼ毎日晩酌をするので、夜は時間がかかるようなものは作りません。お酒をいただきながら食べたいものをさっさと作り、それをあてにまた飲みます。足りなければ、またどちらかが何か簡単なものを作ります。スタッフのひとりは家族の晩ご飯が終わってから、趣味でもあるお菓子づくりをするそうです。その時間帯の方が自分も作ることを楽しめるからと言っていました。私にとって、それが朝の時間なのかもしれません。みんなそれぞれ時間のかけ方は違いますが、作ることに没頭するのは案外リフレッシュできるものだと思っています。
またある日は……
材料がなんとかなりそうだったので、ちらし寿司を作ることにしました。久々なので分量やら手順やら少し手間どりますが、手を動かしているうちにいろいろ思い出してきます。
具材はゴボウに蓮根・人参、干し椎茸、最後に海老。実は、前夜にこの海老を買っていたのに調理をしなかったので、お寿司を作ることにしたのです。
南部鉄器の玉子焼き器は四角く焼けるので、薄焼き卵も簡単。卵3個で10枚ほど焼くことができます。この鉄器ももうかなり長い付き合いになります。最初は錆だの焦げだの恐々と気にしていたのですが、今では立派な右腕に昇格。
今回はのせていませんが、上に添えているピンク色の削り蒲鉾も愛媛のちらし寿司にはよく見られます。飾りだけじゃなくて、味もちゃんと加味されているんです。そうそう、初めて作った時は寿司酢に合わせる砂糖の量に驚いたものですがちょっと甘めに仕上げた方が愛媛らしいお味になるようです。郷土の味が少しずつ自分の味になっていくような気がして、感慨深いものです。
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