繊細な手仕事でつくられる「iris hantverk」洋服ブラシ
~ 糸と樹より vol.22 ~
「Iris Hantverk(イリス ハントバーク)」はスウェーデンのブラシ製造を中心としたメーカーで、手仕事の繊細さと無駄のない北欧デザインがミックスされたような道具を100年以上作り続けています。
従業員が17名ほどの小さなメーカーですが、うち6名は視覚に障害を持たれた方で、実際の働く姿をYouTubeなどで見ることができます。その方たちの慣れた手つきはすごいもので、一瞬の躊躇もなく次から次へと流れるように作業を進められていました。加えてとても楽しそうにブラシを作っているのが印象深かったです。
当然ながら、ブラシ作りには様々な危険がともなうはずですが、それを任せることに決めた会社側の姿勢や勇気も素晴らしいと思います。ヨーロッパでは社会的弱者や自然環境に、より配慮している企業の製品を買う傾向にあると聞いたことがありますが、これからの日本でもそうした意識がますます浸透していくことを願っています。
そのような「イリス ハントバーク」ですが、様々な用途に分けてびっくりするくらい数多くのブラシを作っています。中でも人気なのが、この洋服ブラシです。
しっかりとハリのある馬の毛で作られていて、玄関先でコートについた花粉をはらったり、スーツの表面のほこりをささっと取り除いたり、とても使い勝手のよいブラシです。
本体の木部には絶妙な角度がつけられており、長さもしっかりあるので、手の届きにくい背中にも服を着たままブラッシング可能です。
一見するととてもシンプルですが、ブラシの裏側を見ると、極細の針金で木部に縫い付けるかのように固定しているのが分かります。私はこの手仕事が見える部分がとても好きで、メーカー名を見なくても「これはイリス ハントバークの製品だな」と分かる象徴的な部分になっています。
また前述した映像には、この部分も視覚に障害のある方が作っているシーンがあり、目が見えなくてもここまでの仕事ができるものかと、感動せずにはいられませんでした。確かな製品のつくりのよさもあって、遠く離れた国でも応援したくなるメーカーです。
広島市中区本川町2-5-12 鳥越ビル4階
TEL:082-291-1007
営業時間:11:00~19:00
定休日:火曜
http://itotoki.com/index.html
Instagram「@itotoki.hiroshima」
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