ワタナベマキさん 近頃の料理と暮らしにまつわる10のこと【後編】

ワタナベマキさん 近頃の話
2021.04.22

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06
近頃、気に入っている
ドリンク


友人が送ってくれた、北海道で作られている「ジンジャービア」。名前にこそ“ビア”とついていますが、アルコール分はありません。
「アメリカのポートランドやヨーロッパで流行しているらしいんです。味わいとしては、ジンジャーエールに近いけれど、発酵させているから、もっと深みがある感じ」
ワタナベさんが愛飲しているこちらは、しょうがやレモン、唐辛子などの原料を国内産にこだわり、北海道に自生する蝦夷山桜の酵母で発酵させているそう。

「仕事終わりなどにプシュッと楽しんでいます。ほんのり苦味もあるから、ちょっとだけビールな気分を味わえますよ。気温が上がるこれからの季節、おすすめ! 冷たい飲み物は体を冷やすというけれど、これなら体を温める効果のあるしょうがが入っているし、発酵させているから、体にもやさしいのでは? と思っています」


そしてもうひとつのお気に入りが、ミルクコーヒー。ワタナベさんはもちろん、中学3年生の息子さんの大のお気に入り。
「息子はコーヒーを飲んでちょっと大人になったつもりなのかもしれないけれど……これってつまり、“コーヒー牛乳”ですよね。大人でもなんでもない!(笑)」

07
近頃、スーパーに行くときの
必需品


レジ袋有料化で、エコバッグを持ち歩くことが常識になった近頃。ワタナベさんの愛用は、スーパーマーケット「紀ノ国屋」のもの。
「撮影用の買い出しは大量なので、エコバッグをいくつも持っていきます。肉や魚など、水気が出るものも多いし、食べ物を入れるということもあり、しっかり洗って清潔に保ちたいので、丈夫なナイロン製のものがぴったりなんです」


一方、実用だけでなく、持っていて楽しい気分にさせてくれるものも。そちらは、リアルな鯵の干物がプリントされたコットン製のエコバッグ。
「知り合いのカメラマンさんが作っているものなんです。リアルすぎるほどリアルで、インパクトがありますよね。ここまで迫力があるのも納得で、実際に鯵の干物を撮影して、それを布に転写しているそう。これは、大切なバッグなので水気のあるものは避けて、“乾いたもの”しか入れないようにしています」
洋服や小物を買ったとき、さっと取り出す干物エコバッグ。ショップの店員さんも、思わず二度見なのです。

 

08
近頃、着ている服

 


食材の買い出しや散歩以外、出かけることがあまりなくなったというワタナベさん。おしゃれをする機会もグッと少なくなったのがさみしいところ。
「どうせ近所を歩くだけだしなあ、なんて思って、楽ちんな服ばかりを着ていた時期もあったのですが……それではどんどん、気持ちに張りがなくなってしまいます。せっかくならスーパーに行くときでも、ちょっとしたおしゃれを楽しめたらいいな、と思っています」
身につける時間が長く、着る回数も多いご近所服=ワンマイルウェア。そのお気に入りを見つけられたなら、日々ご機嫌に暮らせることに、気づきました。


「そこで、ブランドとコラボして、外にも着ていけるスウェットと、ストレッチのきいたパンツを作らせていただいたんです。着ていて楽で、肌触りも心地よくて、それでいて一枚でちゃんとさまになる。毎日身につける服こそ、本当のお気に入りを選ぶことが大切なんだな、と改めて実感しました」


“仕事着以上、部屋着未満”をテーマに、「LOURMARIN」とコラボしたスウェットとコーデュロイパンツ。タックの入ったボリューム袖、ストレッチ素材など、普段の暮らしに取り入れやすく、気分が上がるアイデアが随所に。

 

 

09
近頃、変えてみたこと


少し変えたことで、気持ちがガラリと切り替わったもの。それは、下着です。
「今まであまりこだわりがなく、サイズがきちんと合っていればいいや、程度だったんです。実用一辺倒というか……。けれど、40代も半ばになって、見えない場所だからこそちゃんとしなくちゃと思い始めたのが下着」
ゴージャスなものをつけたいわけでは決してなく、高価で機能に特化したものを手に入れたいわけでもなく。
「あまりにフェミニンなデザインは好みではないけれど、ディテールが少しエレガントなものに惹かれるようになりました。ベースにきちんとしたものを身につけているだけで、背筋が伸びる感じがして、心地いいんです」


近頃、愛用しているのは「スロギー」のカップ付きキャミソール。肌触りのいいリブ素材で、ネイビーとブラックのツートーンがさりげなくおしゃれ。

10
近頃、ちゃんとまったり
できるようになった


ワタナベさんの家には、昨年から保護猫のハットリくんと花ちゃんが仲間入り。本当は、1匹だけを貰い受けるつもりでいたけれど……
「最初は、女の子の花ちゃんだけを引き取るつもりだったんです。でも、ハットリくんが私たちのところにちょこちょことやってきて、膝にのったり甘えたり。そのアピールぶりが可愛くて、思い切って2匹一緒に引き取りました」
家に子猫たちがやってきて、変わったことは時間の過ごし方。
これまでは時間が空くと、すぐに次の仕事の段取りをしたり、部屋を掃除したり、料理の下ごしらえをしたりと、ついつい家の中でも動き回ることが多かったワタナベさん。ところが、ふと目をやれば、ソファや床で猫たちがのんびりしている姿があり……
「休むことも大切。そんなことを、猫たちに教えてもらった気がします。今は、やるべきことが一段落したら、ゆったり座って猫を撫でたり、本を読んだり。猫って、一緒に暮らすと本当に可愛いですね。この前、大事にしていた壺を割られてしまったけれど、『も〜う、ダメだよ〜。でも怪我しなくてよかったねえ』なんて言っています。息子は、『オレが割ったら、きっとものすごく怒るよね。猫はいいなあ』って拗ねてますけれど……。猫だと、なんでも許せちゃうんですよね」


ハットリくんと花ちゃんのごはんは、いつでもオーバルトレイにスタンバイしている。ハットリくんは社交的で、お客さんが大好き。花ちゃんはシャイで、お客さんが帰る頃に、そっと様子を見にくるタイプ。



text:福山雅美

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Profile

ワタナベマキ

Maki Watanabe

グラフィックデザイナーを経て、「サルビア給食室」として料理家の活動をスタート。独立後は、雑誌やテレビなど活躍の場を広げ、レシピ本も多数出版。
instagram「@maki_watanabe

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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