暮らしのなかに循環をつくる ― 料理家・ワタナベマキさん Vol.2
夕方4時以降は仕事をしない、
と決めました。
仕事も家事も
ギュッと集中することが
いちばん大事。
冷蔵庫内に適度なすき間をつくり、詰め込まないように工夫。仕事で使う材料は、その都度使い切るようにし、余ったら撮影スタッフに持って帰ってもらう。2週間に一度、野菜を取り寄せ、それを基本に買い物計画を立て、足りないものだけを買い足すように。
息子を出産する1年半前に料理家として独立。大きなおなかで出産直前まで働き、3月に出産して10月には撮影を開始していたそうです。しかも2歳までは保育園にも入れられず、一時保育を渡り歩く生活。
夫は家事も育児もまるで手伝ってくれないというワタナベ家。
「昔はケンカもしたけれど、もうあきらめました。その代わり、私の仕事や旅行、プライベートでの外出のときは、文句も言わずに子どもを引き受けてくれるので」と笑います。
若い頃は、CMなどの仕事で夜中の1時過ぎまで撮影という日もありました。やりがいはあったけれど……。
「子どものことが気になって集中できなくて。それで、どんなにビッグな仕事でも、夕方4時までに終わらないものは断ろうと決めたんです」
今は、仕事が終わったら夕飯を作り、ゆっくり食事を。夜10時にはベッドに入ります。
忙しくて「あ〜あ」とため息をつきたくなる日は、自分が抱えているものの量が、見えなくなっているのかもしれません。ちょっと荷物を減らして全体を見通せるようになったら、「あれをやってからこれをして」という道筋が見えてきます。それが「循環をつくる」というワタナベさんの家事の整え方でした。
使うことを考えて保存する
何がどこにあるかがひと目でわかり、すぐ使える形で保存。一歩先を読むことが、上手に使い切るコツです。
中途半端袋をつくる
少しずつ残った野菜は、ジッパー付き保存袋にひとまとめにすれば使い忘れなし。この中から先に使うよう心がける。
中身が見える状態で保存する
以前はホウロウの保存容器を使っていたが、中身が見えないので、最近「イワキ」のガラス製のものに買い換えた。
ひき肉は四つ折りで冷凍する
ひき肉を薄く平らにならし、四つ折りにして冷凍保存。折り目でパキンと割って4分の1ずつ使うことができる。
野菜が余ったら塩をしておく
どんな野菜も、重さの2%の塩をしてから保存。かさが減ってたっぷり食べられ、料理に使うとおいしいだしにもなる。
photo:枦木 功 text:一田憲子
『家事のしくみを、整える』より
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Profile
ワタナベマキ
グラフィックデザイナーを経て、「サルビア給食室」として料理家の活動をスタート。独立後は雑誌やテレビなど活躍の場を広げ、レシピ本も多数出版。今年からオンライン料理教室もオープン。
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。