「誰のため?」を忘れない ― 麻生要一郎さん Vol.2

『家事のしくみを、整える』
2021.11.02

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おいしい順番で作る

作りはじめる前に、段取りをシミュレーション。
時間を置くもの、すぐ仕上げるもの。
食卓の上でいちばんおいしくなる順番を考えます。

「晩ご飯は、必ずその日頭に浮かんだものを作るようにしています。でも、いざ冷蔵庫を開けたら『あ、これ今日使い切らなくちゃ!』ということもありますよね。そうすると、まったく違う献立になったりします。友達に『要ちゃんちのご飯は、お刺身もあるし、グラタンもあるよね』ってよく言われます。出てくるものに統一感がないんですよ。でも、お店じゃないんだから、それはそれでいいんじゃないかと思うんです」

そんな麻生さんの経歴はちょっと変わっています。祖父が起こした建設会社に勤めた後、島の宿の経営をまかされ、料理から掃除まですべてを切り盛りしていたとか。当時から、お客さまに出すものはその日に作るので、それは大変だったそう。「アルバイトスタッフに、非効率だとあきれられましたね」と笑います。


揚げたて、焼きたてを出す
梅酢と酒を2対1の割合で混ぜ、鶏もも肉を30分漬けて下味をつける。鶏肉に溶き卵をからめ、揚げる直前に片栗粉を薄くまぶす。180度に熱したグレープシードオイルで揚げる。油は一度使ったら処分。


刺身はサクで買い、切りたてを出す
魚は切ったそばから酸化していくし、カットしてあるものは表面の水分が気になるので必ずサクで購入。昆布ではさんでひと晩置き、昆布締めにすることも。食べる直前に分厚く切って食卓に。刺身は「ヤマト醤油味噲」の「糀醤油」と「田丸屋」の「生すりおろし沢わさび」で。

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photo:馬場わかな text:一田憲子

 


『家事のしくみを、整える』より
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Profile

麻生要一郎

Yoichiro Aso

茨城県出身。実家の建設業、知人のカフェの手伝い、宿の運営を経て、現在は養子縁組をした姉妹の介護をしながら、お弁当のケータリングをする。
Instagram@yoichiro_aso

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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