40代50代でも間に合います! 実際につみ立て投資にトライしてみましょう【割烹着先生 連載vol.3】

割烹着先生が指南! 50代で知っておきたいお金の話
2023.05.29


40代、50代の皆さん、60代を前にして、自分の暮らしやお金はどうなるんだろうと、漠然とした不安を抱えていませんか? そして60代の皆さん、このまま何の対策もせずに、のほほんと生きていていいのだろうかと心配していませんか? とはいえ、実際にどうすればいいのかわからない、というのが本音ですよね。お金の話って難しそうだし……。

そこで「暮らしとおしゃれの編集室」では、「割烹着先生」ことファイナンシャルプランナーの山口京子さんに、これからの人生を安心して心地よく暮らすための「お金の話」をしていただく連載を4回に渡ってお届けしています。聞き役はわたくし、編集部の迷える子羊こと、コヒツジです。3回目の今日のテーマは「つみ立て投資にトライ」。いよいよ、という感じですね。ではさっそく、はじまりはじまり~。


編集部スタッフ・コヒツジ(以下、「これまでの連載でお話をお聞きして、私が長年何もせずに寝かせまくってしまっているお金をどうにかしなくては! と真剣に焦り始めています。先生、どうすればいいでしょうかー(涙)」

山口先生(以下、「まあまあコヒツジさん、大丈夫ですよ、落ちついてくださいね。今日は、前回記事でおすすめした『つみ立て投資』の具体的な方法について、できるだけシンプルにわかりやすくお伝えしようと思います。細かな例外や難しい話は省きますので、もしさらに詳しく知りたくなったら、私の著書『貯金ゼロから始める「新へそくり生活」のススメ』(プレジデント社)を読むか、金融庁サイトの「NISA」解説ページや、証券業協会のサイト「投資の時間」を参考にしてくださいね」

「わかりました! ではまず、私は何をすればいいでしょうか?」

「一番シンプルなのは、こちらのようなネット証券に口座を開いて、投資信託のつみ立てを申し込む方法です。理由は、お家にいながらにして口座開設ができるのと、投資信託の種類が多いからです。来年改正されるNISAを活用してもいいですね」

SBI証券
楽天証券
マネックス証券

「いま、ネット証券のサイトの『つみ立て』というページを見ているのですが、なにやらたくさんの種類の商品が載っていて、どれを選べばいいのやら……」

「投資は、リスクを分散するのがとても大事なので、全世界株式型や外国株式型の投資信託(ファンド)を選ぶと、投資する国を分散できるのでおすすめです。何かの要因でどこか1つの国の株価が下がっても、他の国にも投資していれば大きな影響が出にくいですよね。そういった投資信託のうち、代表的なものをご紹介しますね」

●たわらノーロード 全世界株式
●eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
●楽天・全世界株式インデックス・ファンド

「あ、いま見ているネット証券のサイトにも、これ全部載っています。それぞれの内容をじっくり確認して、どれか1つ選んでみようと思います。これを買えば安心、という商品がわかっているだけで、随分ハードルが下がった気がします! あ、でもきっと先生のことだから、もっとズボラさん向けの方法をご存知だったりしませんか?」

「さすがコヒツジさん、よくお気づきで(笑)。実はここ数年、AI技術の進歩によって、ファイナンシャルプランナー泣かせのすごいサービスが続々と登場しているのです。さきほどお伝えしたのは、1つの投資信託を自分で選ぶ方法でしたが、最近の『ロボアドバイザー』と呼ばれるサービスは、株式や債券、金、不動産など様々な金融商品への分散投資を、その人の資産状況や年齢、希望に合わせて、自動で行ってくれるのです。最初に商品を選んだら、あとはお任せできるサービスもあるんですよ」

<自分に合ったものを選んでくれる>
ウェルスナビ
テオ

<最初に選んで、あとはお任せ>
フォリオ
トラノコ


「最近、テレビCMでも見かけますよね。投資に興味をもつ人が増えているんだなあと実感します」

「おまかせできるぶん、少し手数料は高いですが、世界情勢や株価に合わせて自動で調整してくれるので、それを見ているだけでも勉強になりますよ」

 


「なるほど。ネット証券をメインで使って、少額だけロボアドバイザーでつみ立てしてみるのも参考になりそうですね。でも先生、そもそも、どうしてつみ立て投資がいいのでしょうか?」

「コヒツジさん、いい質問ですね! ではまず下の図を見てみてください。このような値動きをしている投資信託があったとしたら、コヒツジさんは買いたいですか?」

「最初は1万円だったのに、次の月には1000円に、そしてその後も5000円まで値下がりしていますね、恐ろしい……。私なら絶対に買いません」

「そうですか~。コヒツジさん、まだまだ『つみ立て』のよさがわかっていないようですねえ。実はこの投資信託を買ったら、得をするんですよ」

「え? え? どういうことですか?」

「ふふふ、慌てない慌てない。では、投資信託の取引単位『口数』を、リンゴで例えてご説明しますね。毎月1万円のおこづかいでリンゴを買います。スタート時にはリンゴの価格が1コ1万円だったので、1コしか買えません。でも翌月、リンゴは1000円に値下がりしました。そうすると……」

「あ、10コも買えちゃいます! 同じリンゴなのに、価格が違うと買える数が変わってくるというわけですね」

「そのとおり! そして翌月にはまた1万円になったので、買えるリンゴは1コです。ここまでで3万円使いましたね。さて、コヒツジさんちの冷蔵庫に、リンゴは何コありますか?」

「12コです」

「では、その後、5000円になったタイミングで、すべて売るとしましょう。5000円のリンゴが12コなので……」

「わっ、 6万円になりました! 私は3万円しか払ってないのに! 不思議です……」

「それが『つみ立て』のすごいところなんです。リンゴ(投資信託)は値動きするものなので、たくさん買える月もあれば、そうでない月もある。だから、買う回数とタイミングを分散させているわけですね。でも冷蔵庫からリンゴが減ることは絶対にありません。毎月コツコツとリンゴを買っていれば、数年はものすごい数になっているんですよ」

 


 

「なるほどー。あ、でも、も~っと価格が下がってしまったら、やっぱり損してしまうこともあり得ますよね? 投資にはリスクがつきものっていいますし」

「そうですね、投資に“絶対”はありません。でも私はそうならないと信じています。それはどうしてかというと……」

「こちらは、人の移動手段の未来予想図。Aは馬、Bは自動運転の車です。コヒツジさん、将来、世の中はどちらになっていると思いますか?」

「いやいや、馬に逆戻りはないでしょう~。Bだと思います!」

「ですよね(笑)。つまり、そういうことなんです。未来は、今より便利で快適になっていると信じるなら、それらをつくる会社をはじめ、世の中にある会社の株価は上がっていくでしょうから、一時的に下がることはあっても、将来、今よりはプラスになると思うのです」

「未来がよくなることを信じるって、なんだかいいですね。夢がある感じがします」

……というわけで今回は、実際に「つみ立て投資」をするときの方法と、「つみ立て」のいいところについて教えていただきました。なんだかワクワクしてきましたね! 次の最終回では、皆さんが気になっているであろう老後のお金について教えていただきます。お楽しみに~。

 

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Profile

山口京子

kyoko Yamaguchi

フリーアナウンサーを経て、ファイナンシャルプランナーに。家計管理、貯蓄・資産運用のプロフェッショナルとしてテレビ、ラジオ出演や、セミナー講師、執筆活動と幅広く活躍。主な著書に『貯金ゼロから始める「新へそくり生活」のススメ』(プレジデント社)、『なまけものが得をするワンコイン積立投資術』(ダイヤモンド社)などがある。
https://kyoko-yamaguchi.com/
Instagram「kyoko.yamaguchi.315
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