一田憲子さん 50代で暮らし・仕事・肌への向き合い方が変わりました
脇目も振らず懸命に突っ走ってきた時期を経て、40代50代は少しずつ、仕事や暮らし、そして自分自身への向き合い方も変わってきた、という方は多いのではないでしょうか。体調や心、お肌だって毎日絶好調というわけにはいかなくなってきたお年頃だからこそ、自分を大事にしてあげるという意識が芽生えたり、力を入れる・抜くの塩梅が上手になってきたり。この切り替え時に、仕事の面でも暮らしの面でも試行錯誤しておくことは、これからの人生ための大切なステップなのかもしれません。
そこで今回、ロート製薬の「肌ラボ® 極潤® ヒアルロン液」のスポンサードにより、3人の方々に「暮らしと仕事、これまでとこれから」についての話を伺う連載をお届けすることに。初回の藤岡ちせさんに続いて今日ご登場いただくのは、編集部で発行する雑誌『暮らしのおへそ』『大人になったら、着たい服』でも企画編集、執筆を手掛けてくださっている一田憲子さんです。
60代を目前にして、著書『人生後半、上手にくだる』の中では、「人生を『下る』と聞くと寂しい気がするけれど、私は人生後半にガチャンと線路を切り替え、そこにあるかもしれない『シアワセ』を探すことを、かなり楽しみにしています」と語る一田さんに、その「切り替え」についてお聞きしてみました。
家事は無理せず
身の丈にあった暮らしを
取材日、ご自宅に伺うと、「今日は収納の様子を撮影するんでしたよね」と、さっそくキャビネットの扉を開けてくれた一田さん。収納ボックスの中、けっこう雑然としていますが、このまま撮影して大丈夫でしょうか……。
「ふふふ、これが20年前なら、ボックスの中身も全部ビシッと並べて、ラベルもきれいに作り直して……と準備万端で待ち構えていたと思います。でも本当は、忙しい毎日の中でそんな丁寧な暮らし、私にはできません(笑)。いろいろ試して私なりにたどり着いた収納方法は、文房具・裁縫道具・DIY用など、ジャンル別にボックスを分けておいて、あとはどんどん放り込む方式。どこに何があるかわかるようになっていれば、収納はラクにできたほうがいいじゃないですか。だから、この“ほどよく”グチャグチャな感じを撮ってもらっても平気なんです」
自分に合った家事の方法や、どこまでやるのが無理がないかを見極めて、きちんと線引きすれば、こんなに暮らしがラクで心地よくなるのですね。そしてもうひとつ、一田さんは、自分が周りからどう見られているかという意識から、解放されたように見えます。
「若い頃は『こういうのが素敵』『こういうのが正解』みたいなイメージが強くあって、そこに近づこうと、がむしゃらに頑張っていた気がします。30代で自分のレシピ本を出した時は、『有名な作家ものの器をたくさん持っている素敵な私』でいなくては! と必死で、撮影で使う器数枚を、こっそり自腹購入したりして。今、思い出すと『私、無理してたな~』と笑っちゃいますが、当時はそれが当たり前だと思っていたんですよね。もし、今同じ本を作るとしたら『身の丈にあった暮らししかできないことは、もうみんなわかっているんだから、ありのままを見せればいいじゃない』とドーンと構えていられると思います(笑)」
自分発信の場を持ったら
日々の視点も変わった!
20代の頃からずっと、ライター・編集の仕事を続けてきた一田さん。仕事は順調でしたが、50代になった頃、ふと、自分はこのままで大丈夫なのだろうかと不安になったそう。
「これまでは出版社からお仕事をいただく立場だったけれど、それがいつまで続くかわからないし保証もない。体力や気力の面でも無理がきかなくなってきた。でも、おばあちゃんになっても書くことは続けていたい……。そんなモヤモヤの中から、それなら自分で自分の舞台をつくったらどうかな、という考えが浮かんだんです。それで始めたのが『外の音、内の香』というウェブサイト。どうなるかなんてわからなかったけれど、ひとまずエイヤッと立ち上げてみました」
ライターの仕事は、相手の話を聞いて、それを原稿にまとめること。でも自分のウェブサイトでは、自分自身が感じたこと、考えたことを、自分の言葉で発信する必要があります。始めてみてすぐに、同じ文章を書くという行為でも、実はまったく違うものだということに気づきました。
「自分発信の場合、話のネタ元はすべて自分の中。サイトをほぼ毎日更新していることもあって、これまでの知識や経験だけではすぐにネタが尽きてしまうんですよね。それで、日ごろから意識してインプットする必要が出てきたんです。暮らしの中のほんのささいなことも見逃さずに拾い上げる。そういうクセがついたことで、身の回りのこと、相手のこと、はたまた朝のウォーキング中の風景まで、目に入るもの、耳に入るものすべての受け取り方が変わってきました」
「必死に仕事をしていた頃は、庭の草花の様子が一日一日変化していることなんて、気にも留めていなかったと思います。それが今では、きのう蕾だった花が今朝咲いていたら、もう大ニュース(笑)。いそいそと写真を撮り、そのワクワクを書き綴っています。いつもとは違うレシピで作ったおかずがおいしくできた、スマホに新しいアプリを入れてみた……そんな小さな楽しみにきちんと目を向けるようになり、その幸せを味わえるようになったことは、思ってもみなかったギフトでした」
また、ウェブサイトを始めてから、もうひとつ大きな変化を感じていることがあります。それは、自分の役割や立ち位置。以前はライターとして人の話を伝える、という裏方的な立場でしたが、自分発信をするようになってからは「一田憲子」として声をかけてもらう仕事が多くなりました。取材を受ける側だったりイベント出演だったり、さらには著書の執筆依頼も増えたそう。その多くが、サイトをきっかけに一田さんを知り、そこに書かれている内容を読んで共感した人からのものでした。
「今考えると、あの時、サイトを始めて本当によかったなと思います。自分の責任で自分の意見を書くって、ある意味、腹くくらなくちゃいけないし、迷いや悩みもあれこれ出てきます。でも、始めたからこそ、わかることやできることが本当にたくさんありました。世の中には『こうしたら、こうなって、こういう結果になります』と事前にわかっていることなんて、ひとつもない。『やってみないとわからない』とよくいいますが、まさにそのとおりだなーと思います」
気力や体力は落ちてきたけれど、これまで積み上げたものは確かに自分の中にある。一田さんが自分の舞台を作ったように、今の自分だからこそできることは、意外と身近にあるのかもしれませんね。
肌が敏感になって行きついたのは
シンプル処方のスキンケア
50代になり暮らしや仕事への向き合い方が切り替わったのと同じ頃、一田さんは肌とのつき合い方も見直すことになりました。
「ずっと肌は丈夫なほうだったのですが、急に敏感になってしまって、目の上が赤くなったり、口の周りにプツプツができたり。そこからは完全にスキンケア迷子(笑)。海外ブランドやオーガニックブランドなど、さまざまなものを試しました」
そんな中、一田さんが行きついた結論が「自分の肌には、香料などいろいろな成分が含まれていないものが合っている」ということ。シンプルな処方のものなら、トラブルが起きにくいことがわかってきました。ここ数年は、行きつけのサロンのオリジナルシリーズを使用していたそう。
肌ラボ® 極潤® ヒアルロン液(販売名:ハダラボモイスト化粧水d)
そこで今回、編集部が一田さんにおすすめしたのが、ロート製薬の「肌ラボ® 極潤® ヒアルロン液」。無香料、無着色、パラベンフリー、オイルやアルコール(エタノール)フリーと、余計な成分が入っていない化粧水です。
「今回、初めて1か月ほど使ってみましたが、しっかり保湿されているという安心感がありますね。化粧水によく使われている、私が苦手な成分が入っていないからか、肌トラブルも起こりませんでした。トロッとしていて手に取りやすいのに肌にはスーッと馴染むので、湿気の多い今の季節は特に、お風呂上りのボディケアにもいいんです。お手頃価格ということもあって、気兼ねなく全身にぱしゃぱしゃつけて、贅沢気分を味わっています(笑)」
暮らしも仕事もスキンケアも、若い頃と同じ方法を続けるのは難しいもの。「じゃあ、どうしようかな」と、今の自分にちょうどいい方法が見つかるまでいろいろ試してみる。その過程を、一田さんは凹んだり驚いたりしながらも、とても楽しんでいるように見えました。
これからの人生、できなくなることが増えるのは当たり前。「そりゃそうだよね」と軽やかに受け止めて、ちょっぴりの工夫を重ねながら、毎日を快適に過ごしていきたいですね。
photo:砂原文
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【連載】暮らしと仕事、これまでとこれから
第1回 ヘアメイクアップアーティスト藤岡ちせさん
第3回 フォトグラファー 砂原文さん
Profile
一田憲子
編集者、ライター。OL、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスに。『暮らしのおへそ』『大人になったら、着たい服』(ともに主婦と生活社)では、企画、編集、執筆を手掛けるほか、著書も多数。自身のウェブマガジン「外の音、内の香」、ライター塾を主宰。「暮らしのおへそラジオ」も好評配信中。
https://ichidanoriko.com/
Instagram「@noriichida」
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