内田彩仍さん【後編】 家族が幸せでいることが一番大事なこと
ここ10年ほど、雑誌の取材を受けたり、本作りをしたりと多忙になりましたが、それでも変わることなく日々の中心にあるのは、家族との暮らし。仕事の締め切り間際でない限りはいつも、家族と過ごす時間を最優先しています。食事の支度をしたり、ときには自然豊かな公園をのんびり歩いたり。いつもの家事を、いつもどおり淡々とこなしたり、夫と話をしたりすることで、日々の慌ただしさやちょっとした不安も、すーっと消えていくのです。
「私は子供のころから体が弱かったこともあり、特に同居していた祖母に、愛情をたっぷりかけてもらいました。そのころは本気で『このやさしいおばあちゃんを神様が授けてくれた』なんて思っていたほど。支えてもらったことにとても感謝しているから、家族をそんな気持ちにさせてくれる祖母のような存在になりたいと、ずっと願ってきました」
内田さんが結婚したのは、社会人になってすぐのころ。若くて純粋だったからか、「この小さな家族を、私が全力で守らなくては」という思いが、より強かったそう。でも、「家族がいつも笑顔で、幸せでいられるように」という、人生で一番大事だと思える目標を若いうちに見つけられたことは幸運だったと、うれしそうに話します。いつも心に留めてきた、このささやかな目標が、約30年、コツコツと少しずつ積み重ねてきた家族との時間を、やさしく幸せなものにしてくれたのかもしれません。
<内田彩仍さんのこれまでの歩み>
20歳 ハウスメーカーに勤める。結婚
21歳 セレクトショップの立ち上げに携わり、バイイングと販売を担当
27歳 写真館でコーディネートの仕事を始める
29歳 現在のマンションに引っ越す
30歳 自宅のインテリアがはじめて雑誌に掲載される
33歳 雑貨プロデュースの学校に2年通う
35歳 百貨店の撮影でスタイリングを担当。7年続ける
40歳 初の著書『内田彩仍さんのDear, sweet home』(主婦と生活社)を出版
43歳 自宅マンション全体のリノベーションをする
52歳 キッチンのリノベーションをする
photo:大森今日子
→より詳しく読みたい方は、ナチュリラ別冊『幸せに暮らすくふう』をご覧くださいね
Profile
内田彩仍
福岡県在住。夫と愛猫・クリムと暮らす。ていねいな暮らしぶりや素敵な着こなしが注目を集める。主な著書に『季節の暮らしと服支度』、10月には新刊『いとおしむ暮らし』(ともに主婦と生活社刊)が発売される予定。
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。