振り子のおへそ ― 安西留美さん vol.2

暮らしのおへそ
2019.10.24

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自分を大切にする

人のために生きるだけでなく
自分がワクワクすることを見逃さず
心のままに行動する練習をする。

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自分に余裕がないと、周囲の人をハッピーにすることはできない。多少つらいことがあっても、空を見上げれば、笑顔でいられる。

 

「両親の介護を通して、自分の老後についても考えるようになりました。いつか、介護の経験と今の仕事のスキルを生かして、誰もが老後に不安なく暮らせるような仕組みをつくれればいいなあと思っています。歳をとるとどうしても暗い方向へ向かってしまうけれど、おしゃれもしたいし、つかまるのに、ちょっとおしゃれな椅子があると気持ちがぐっと豊かになるでしょう? 何かをあきらめることなく、明るく歳を重ねていけたらいいなと思って」

土曜日の夜、自宅に戻るときは、お母さまが畑のとれたて野菜で作ったおかずを密閉容器にいっぱい詰めて手渡してくれます。「してあげる」だけでなく、「受け取る」ことも娘の大切な役目。

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左:つい、介護している側の都合でものごとを進めがち。そうならないよう、話に耳を傾けたり、時間はかかってもお父さまが自分でできるまで待つように。/右:すべてが「やってあげる」だと、できることを「取り上げる」ことになる。笑子さんは、畑で野菜を育てる名人。日々作業をすることで体力も維持できる。

 

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左:毎年お年玉は、1万円、5千円、千円のぽち袋をくじ引きで。「父は、必ず千円を引くので笑っちゃうんです」と安西さん。小さな笑いが空気を明るくする。/右:安西さんが自宅に戻るとき、料理を密閉容器に入れて持たせてくれる。「ありがたくいただき、帰って夕ご飯のおかずにしたり、次の日のお弁当に入れます」

 

「私ね『人生って振り子のようなもの。プラスに振れたら、同じだけマイナスに振れる』という言葉を本当だなあと思っているんです。悪いことの次には、必ずいいことがあるし、また、いいことばかりが続くわけでもない。だから一喜一憂することなく、普通がいちばんいいんじゃないか、本当はゼロの地点がいちばん幸せなのかもと思って」

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左:実家の野菜でおかずを作り、お弁当に。ご飯は小さな「ジップロックRコンテナー」で冷凍し、保冷剤代わりにして持っていく。/右:とれたての野菜はシンプルに料理をするのがいちばんおいしい。炒めて塩だけで味つけをしたり、葉もの野菜はオイル蒸しに。

 

そんな安西さんの姿を見ていると、目の前に起こったできごとが、「いいこと」なのか、「悪いこと」なのかを決めているのは、自分自身だと気づかされます。心の持ちようで、すべてを「いいこと」へとひっくり返すことができる! さあ、明日から笑顔でいよう! と背すじを伸ばしたくなりました。

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緑豊かなところに住みたいと、郊外にマンションを購入。本を読んだりと、通勤時間がいいスイッチの切り替えになる。

 

「暮らしのおへそ Vol.28」より
photo:岡田久仁子 text :一田憲子


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Profile

安西留美

Rumi Yasunishi

音響の専門学校卒業後、テレビ制作会社に就職。番組制作現場で音声を担当。その後、映像制作に関する音の仕事を。緑豊かな環境で暮らしたいと、兵庫県の郊外に夫とふたり暮らし。毎日1時間半かけて会社まで通っている。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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