『羊をめぐる冒険』のモデルになった町へ、冬の始まりを感じる旅

今日のひとしな
2019.12.06

先週からお届けしている「今日のひとしな」スピンオフ企画。前回は、以前、連載でご登場いただいた東京・石神井のセレクトショップ「copse(コプス)」の小森知佳さんに、北海道に暮らす作家さんの工房を訪ねた旅の様子をご紹介していただきました。後編の今日は、その「粗清草堂」の工房がある町・美深の素敵スポットを案内していただきますー。

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前回ご紹介した、道北の静かな森のなかに佇む「粗清草堂」のギャラリーは、事前に予約をすれば訪問することもできます。美深の町には、ここ数年おしゃれな宿やお店が増えているので、1泊してこのエリアを満喫するのもおすすめですよ。

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今回、私が宿泊したのは、今年6月に開業した「青い星通信社」。草原に残された石レンガ造の2棟の建物をリノベーションして生まれた、わずか3室の小さなホテルです。

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ラウンジにはライブラリーコーナーがあり、籠るような気持ちで過ごせます。

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私のお気に入りは「火影」という部屋。デスクスペースの正面に木立が広がり、何をするともなく景色を眺めているだけで幸せな気持ちに。

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線路側に面した「風笛」の部屋からは、木立を縫うように走るローカル列車が間近に眺められます。

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コンパクトなホテルですが、客室内はもとよりラウンジや通路など、ピクチャーウィンドウから広がる景色に、ため息が溢れるほど。夫婦や友人と滞在するのも楽しいですが、あえてひとりで訪れるのも、静かに流れるここでの時間にふさわしい気がします。

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また、町の中心部にあるビアレストラン「BSB」も今年オープンのニューフェイス。90年を超える歴史を持つ赤レンガ倉庫を改築し、醸造施設とレストランを併設しています。

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ここでつくられるクラフトビールは、美深で採れる白樺の樹液で醸造しているのが特徴。醸造第一作は「Wild Sheep Chase」(羊をめぐる冒険)と命名され、これがまた格別なおいしさ! ホップが香る華やかで優しい味わいがクセになります。

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前週も書きましたが、ここ美深は、村上春樹の長編小説『羊をめぐる冒険』に出てくる「十二滝町」のモデルになったといわれている町。物語のなかで、この場所が秋の終わりと冬の始まりに登場するため、ファンはわざわざこの時季を選んで訪れるのだそう。秋から冬へと向かう、どんよりとした、でも凛と美しいこの季節ならではの景色が、物語の背景に欠かせなかったのかもしれないなと、今回訪れて思いました。

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ちなみに、冬になるとあたり一面、雪景色に。「粗清草堂」の羊たちも小屋に移動します。

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「copse」で今日から始まる「粗清草堂」の羊服・羊品展には、白樺樹液ドリンク「森の雫」や、地元産の食材を生かしたヴィーガン菓子工房「一二三草堂」の焼き菓子も登場。会期中は白樺樹液仕込みのクラフトビールやドリンクも販売するそう(ビールは店内のみ)。わざわざ美深を訪れるのは難しいけど、羊服や美深の美味しいものが気になるという方、ぜひお出かけくださいね。

 

「羊をめぐる冒険~北海道美深『粗清草堂』の羊服・羊品」展
期間:12/6(金)~14(土)*会期中無休
逸見吏佳さん在店日:12/6(金)~7(土)
(初日には逸見吏佳さんのお話会を開催予定。
参加費2,000円で白樺樹液仕込みのビールかドリンクつきです)

 

←「コプス」の「今日のひとしな」はこちらから

copse(コプス)

東京都練馬区石神井台3-24-39 ロイヤルコトブキ 1F
TEL:03-6913-1544
http://www.copse.biz

※現在、企画展の期間以外は金、土のみ営業

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