内田彩仍さん「春  ~もう一度、白い服を~」

特集「季節の暮しと服支度」
2016.11.07

久しぶりに着こなしと日々の暮らしをテーマにした新刊『季節の暮らしと服支度』を出版した内田彩仍さん。発売後すぐに重版が決まったこの本には、「こんなふうに季節を感じたい!」「自分を見つめるきっかけになりました」など、読者の方からたくさんの反響をいただいています。そこで、「まだ読んでなかった!」という方のために、今週はこの本を大特集。今日から毎日、春・夏・秋・冬のお話を少しずつお見せしますね。

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「もう一度、白い服を」


昔から、白い服が好きでした。

私が社会人になった頃は、雑貨ブームのはしりで、
新しい雑貨店がたくさんでき、かごや白い食器など、
ナチュラルな雰囲気の小物で、あふれていました。

そんなお店に行くときは、
白い服が似合う気がして、
よく白を身につけていたものです。

着ているとやさしい心持ちになり、
穏やかでいられる魔法の服のように感じて。
ダークな色の服をまとう人が多くなる秋冬にも、
カラフルな色を着こなす人が増える真夏にも、
変わらず白い服を身につけていました。

ただ、このところ、白の出番が少なくなっています。
生成りのような色合いはいいのですが、
本当の真っ白は、自分自身でも、
無理をしているような気がするのです。

好きだけれど、五十代を迎えた今の私には、
着られなくなった色、そう思っていました。

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白いブラウスに、生成りのスカートと淡いグレーのカーディガンを合わせたら、やさしい白になった気がします。

 

ところが、先日、あとで着替えようと思い、
撮影の準備のために、昔着ていた
シンプルな白いワンピースで作業をしていたら、
予定より早く着いた編集の方が、
ドアを開けた瞬間
「内田さん、やっぱり白、似合いますね」
と言ってくれたのが、素直にうれしくて(笑)。
白は、私の暮らしの中で、一番身近だった色。
その言葉に、ちょっと勇気をもらい、
「また、白を着られたら」と思いました。

春から夏にかけては、
たくさんの人が白を身にまとう季節。
少しハードルが低くなるから、
昔のように、主役とはいかないけれど、
脇役としてなら、着られそうな気がします。
自分なりのさじ加減を考えながら、
背筋を伸ばして大人らしく、
着てみようと思います。

それとは別に、ほのかな期待があって。
もう少し歳を重ねて髪も白くなった頃、
もしも私が、顔に刻まれたしわも、
やさしい印象を残すような、
そんなおばあさんになれたとしたら、
もう一度白を主役にして、
さらっと身につけられるような気がしています。


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素肌に触れても気持ちよく着られるよう、肌にやさしい粉石鹸を泡立てて、汗じみや汚れを落とします。

 

<白を取り入れた普段着>

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好きなのに、コーディネートが
難しいと思っていたロゴTシャツ。
ボトムも同じ白で揃え、
黒のカーディガンで引き締めたら、
カジュアルになりすぎずに、着られました。

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最近、あまりはかなくなっていたパンツも、
軽やかな白のワイドタイプなら、
日常着として活躍。トップスやバッグを
コンパクトにまとめ、バランスをとります。

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一枚でさらりと着るには、
少し気恥ずかしい真っ白なワンピース。
トラッドなアーガイルのカーディガンやめがねで、
甘さを抑えたら、今の気持ちに添う、
心地いい着こなしに。

 

photo:大森今日子

 

→  「夏 ~梅雨の楽しみ~」 

 

Profile

内田彩仍

Ayano Uchida

福岡県に、夫と愛猫クリムと暮らす。丁寧な暮らしぶり、センスある着こなしや手作りが雑誌やイベントで人気を集める。著書に『季節の暮しと服支度』(主婦と生活社)、『重ねる、暮らし』(マイナビ出版)などがある。

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