太田幸子さんの「自家製酵母」パンレッスン②〜元種の作り方〜
自分で育てた酵母でパンを焼く。とっても素敵なことだと思いませんか?
「自家製酵母パンは難しそう」と思っている人や、「酵母の管理に追い立てられてしまう」、「自分のタイミングでパンが焼けない」、「発酵の見極めが難しい」と、一度は挑戦したものの、挫折してしまった経験がある方にもぜひお試しいただきたいのが、この春に発売した太田幸子さんの『「自家製酵母」で作るワンランク上の食パン、バゲット、カンパーニュ』のレシピです。
第二回目の今日は、元種の作り方をご紹介します。
この少量の元種の作り方こそが、太田幸子さんの自家製酵母パンの作りやすさたる所以。
レーズンエキスに塩と粉を混ぜて、暖かいところにおくだけで、プクプクと発酵してきます。
この発酵の様子を見ていると、パンは生き物なのだなと感動してしまいますよ!
ぜひ、お試しくださいね。
元種の作り方
レーズンエキスが起こせたら、次は元種を作ります。粉と塩にレーズンエキスを混ぜて、 暖かいところで発酵させるだけ。培養を2回繰り返すことで発酵力が安定して、元気な元種ができます。 できあがり量は約 280g。パン2 回分が作れます。
[ 材料 ]
〈1回目の培養〉
強力粉(はるゆたかブレンド) ・ ・ ・ 3 0 g
塩 ・・・1g
レーズンエキス ・・・50g
〈 2回目の培養〉
1回目にできた元種・・・全量
強力粉(はるゆたかブレンド) ・ ・ ・ 8 0 g
塩 ・・・1g
水(浄水器を通した水道水)・・・120g
容器について
容量630mℓのポリプロピレン製の保存容器 。底の面積が広いので発酵しやすく、発酵した状態も見やすいのが 特徴。しかも、冷蔵室に収まりやすくて邪魔にならないという利点も。
●1回目の培養
スケールに容器をのせ、強力粉、塩、レーズンエキスの順に、そのつど「ゼロ」に戻しながら計量する。
平たい計量スプーンで混ぜる。少し粉っぽさが残っ ている程度でOK。
気泡も何もなく、とろりとしている。ふたをして、27 度前後の暖かいところに置いて6~8時間発酵させる。発酵時間は、季節や室内環境によって変わる。
6~8時間後
かさが1.5倍くらいになり、底にプツプツと気泡が出て、表面がふかふかしてきたら、1回目の培養は終了。
●2回目の培養
1回目の元種に強力粉と塩、水を入れ、平たい計量スプーンで混ぜる。少し粉っぽさが残っている程度でOK。ふ たをして、27度前後の暖かいところに置いて4~5時間発酵させる。
4~5時間後 完成!
かさが 2 倍くらいになり、表面にプツプツと細かい穴が あ い て 、底にも気泡がたくさん出ればできあがり。元 種はすぐに使えるが、冷蔵室で一晩休ませると、より発酵力がついてパワーアップ。
元種の保管と使うときは
できあがった元種は冷蔵室で保管し、かき混ぜなければ2~3日持ちます。使うときは元種 が 分 離 し て い る の で 、かき混ぜてから使用します 。 一度混ぜてしまうと発酵力が落ちていくので 、使いきるようにします。パン 2回分で使いきることができます。もし少し残ったときは、新しく起こした元種と合わせて使ってください。
元種が発酵しにくいときは
室内の温度が低い場合や冬の寒いときは、発酵に時間がかかります。27度前後なら6~8時間で起きるところが、23度なら10~12時間かかることも。元種の様子を見ながら発酵時間を調節してみてください。ただし、元種は温 度が低いと発酵しないので、20度以下にならないように気をつけてください。どうしても温度が低くなるときは 、適温がキープできる家庭用の発酵器を使うのも手。ネットショップなどで購入できます。
太田幸子先生の「自家製酵母」レーズンエキスと元種の作り方は、インスタグラムのライブレッスンの動画が@ryourinohonのIGTVでもアップされています。ぜひチェックしてみてくださいね!
https://www.instagram.com/tv/COZ1r0Nl5yp/
✴︎明日は、いよいよパン作り。ふっくらもっちりとしたかみごたえが魅力のファンデュのレシピをご紹介します。お楽しみに!
photo:野口健志 styling:中里真理子
「自家製酵母」でとびきりおいしいパンが焼けるようになる一冊です。粉の味わい、酵母の香り。そして家庭での作りやすさにこだわりたどり着いた自家製酵母のパン作り。予約の取れないパン教室「Atelier Le Bonheur」の太田幸子さんが、家庭で無理なく作れる「自家製酵母」のパン作りのコツとレシピを惜しみなく伝授します。
Profile
太田幸子
埼玉県生まれ。 子供のころからパンが大好きで、パン講習に通っているうちに夢中になり、A B C Cooking Studio の講師資格を取得。そこで、4年間パンの講師を務める。その後 、さまざまな教室や講習会に参加し、天然酵母のパンのおいしさに目覚める。 都内の天然酵母パン教室のアシスタントを務めたのち独立し、パン教室&工房「Atelier Le Bonheur」を開設。自家製レーズン酵母とホシノ天然酵母で作るパンを教えている。教室は大人気で、現在満席の状態。月に一回、注文を受けて、自家培養酵母やホシノ天然酵母を使ったパンや発酵菓子が届くパンセットは発売と同時に完売してしまう人気ぶり。
Atelier Le Bonheur http://www.a-l-bonheur.com/
Instagram @atelier_le_bonherur
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