第22回 寒い季節にぴったりのベルギーの味「ブランケット・ド・ヴォー」と新年のお菓子「ガレット・デ・ロワ」

栗山さんのベルギーおいしいもの通信
2022.01.18


こんにちは、料理家の栗山真由美です。
2022年が始まりましたね。本年もどうぞよろしくお願いします。

ベルギーでは12月初旬から始まったクリスマスがようやく終わるのが、1月6日の公現祭の日です。その後、クリスマスツリーなどの片付けに入りますが、その週末まで、あるいは月末まで引き続き楽しむ人もおり、個人宅、街のデコレーションともにゆっくり変化していきます。

新年に関しては、クリスマスの期間に含まれていることもあり、あっさりしたものです。元旦は休日ですが、翌日も大晦日も通常通りです。

さて、今回は寒い季節にぴったりのBlanquette de veau(ブランケット・ド・ヴォー)を紹介します。


「Blanquette de veau」は仔牛のクリーム煮。フランス料理だと思っていましたが、ベルギーでも定番の家庭料理です。
ブランケットはフランス語の白を意味する「blanc」が語源となった料理用語です。仔牛や鶏肉などの白いお肉をだし汁や香味野菜と一緒に煮て、その煮汁にRoux(小麦粉+バター)を混ぜてソースにした料理。お魚でアレンジする場合もあります。


材料はこんな感じです。主材料の仔牛に加えて、Chipolataというソーセージが入るのも特徴です。

仔牛肉ですが、日本ではほとんど見かけませんよね。私も自分で料理する材料というよりは、レストランでいただくのものという印象でした。

ベルギーでは、肉屋さんはもちろんのこと、普通のスーパーでもパック詰めで売られています。仔牛を思い浮かべると少しかわいそうな気もしてしまうのですが、興味深い話を聞きました。

夫側の家族で、短期間ですが入院した人がいます。食事療法が取り入れられ、特別食を続けたそう。その内容が、白パン(プレーン)、チキンコンソメスープ(具なし)と仔牛のソテー。日本の病院食との違いを感じるとともに、“仔牛”が妙に印象的でした。

調べてみると、高タンパクで消化がよく、滋養強壮に優れた食材なのですね。体への負担も少なく、体調回復を促進してくれます。これを聞いて以降、夫の体調が悪い時は取り入れるようになりました。ところ変われば、栄養面の考え方も違うものですね。

さて、作り方に戻ります。肉類を炒めてからスープ、野菜、ドライハーブを加えて煮ます。
さらに別鍋でルーを作り、肉の煮込みの鍋から、煮汁を取り出して加え、煮詰めます。
ポイントは火から下ろしたら、卵黄を加えること。さらに生クリームも加えます。最後に全部を混ぜ、レモンを絞って、塩・こしょうで味を調えます。


別鍋でゆでておいたじゃがいもと一緒に盛りつけます。
レモンで味が引きしまって、とてもおいしい。かぶもとろけて、仔牛もホロホロになります。バターライスを添えていただくのも定番だそう。
盛りつけ次第で、普段にも、おもてなしにも使えるメニューですね。

冒頭にも書きました、1月6日のEpiphany(公現祭)に食べるベルギー版ガレット・デ・ロワ、Driekoningentaartです。

パイの中身は「フランジパン」という、アーモンドパウダーのフィリングとカスタードクリームを混ぜたものが定番です。フランジパンとアップルフィリングが2層になったものなど、変わり種もお店によってあります。私は、チョコレートブラウニーと洋梨、ヘーゼルナッツという好きなものばかりの組み合せを見つけてゲットしました。


フェーブは、キリストを訪ねてきた東方の三博士 の1人と思われるものが出てきました。繊細でカソリックに則していて感動しました。

東京にいた頃、ポルトガル版ガレット・デ・ロワ「Bolo Rei」を毎年作っていました。フェーブにもこだわって、ベルギーから取り寄せていたのです。巡り巡って今はそのベルギーに住んでいると思うと感慨深いです。

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Profile

栗山真由美

MAYUMI KURIYAMA

料理家、栄養士。枝元なほみさんのアシスタントを経て独立。ポルトガル料理を中心とした料理教室「Amigos Deliciosos」を12年前から東京で主宰、日本ポルトガル協会の公認講師も7年間務める。2019年より、イギリス人のご主人とベルギー・アントワープに在住。著書に『ポルトガル流 驚きの素材組み合わせ術! 魔法のごはん』(エイ出版)、『「酒粕」で病気知らずになる ゆる粕レシピ』(池田書店)など。
https://ameblo.jp/castanha/ 
Instagram: mamicastanha

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