初夏からはきたい、涼しくて綺麗なリネンパンツ
〜「糸デンワ」より〜 vol.29

大人になって良かったなあと思うことのひとつに、素材そのものの良さを味わえるようになったことがあります。まだお尻が青かった頃は、A5ランクの和牛や五つ星ホテルなど、ひと目で価値が分かるものに心惹かれることもありました。

40を過ぎた今は、そういった西洋式の分かりやすさよりも、谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」にあるような、奥ゆかしい美点に心が向くようになりました。

夏の汗ばむ日は、サラサラと涼やか。冬の寒い日は、体温を逃さずあたたか。そんな性質を持つリネンに、「水撚り」という特別な技術が加わることで、しなやかでやわらかな「ウォーターリネン」という生地が生まれます。着続けるほどに風合いが増し、自分だけのものに育っていく素材です。

evam eva(エヴァムエヴァ)がウォーターリネンを発表した2017年。瞬時にハートを射抜かれ、以来当店では毎シーズン欠かさずご紹介しています。今季もワイドパンツをセレクトしました。

ワイドパンツと銘打たれていますが、そんなにワイドワイドしていません。素直なストレートシルエットです。

ウエストは太めのゴムを配したイージーパンツ仕様で、ドローコードも備えています。両サイドのポケットに加え、フロントとバックにはタックを入れ、動きやすさと立体感を持たせています。

本当に良い生地です。何が良いのか、私のボキャブラリーと表現力では明快にお伝えできないのですが、足を通していただければ、その礼儀正しさというか品の良さというかは、必ずご理解いただけると思います。

引き算の美学を感じさせる、シンプルなデザイン。故に合わせるアイテムに困りません。だからついつい手が伸び、足を通します。すると身体に馴染み、風合いが豊かになる。だからついつい手が伸び、足を通します。この好循環の連続が、生活に無くてはならない一本を生み出します。

素材の価値というものは、産地や値段だけでは測れません。どれだけの希少性があっても、自分の生活に馴染まなければ、それはただの情報です。毎日の生活で手に取り、気が付いたら身体の一部のようになっているものにこそ、真の価値があるのだと思います。

派手さや分かりやすさとは距離を置くもの。その良さは、長い時間を共に過ごすことで、じんわりと深く染み入ってきます。ウォーターリネンに宿る真の価値を、ぜひ味わってください。
ご紹介したアイテムの詳細は、こちらでご覧いただけます。
静岡県静岡市清水区巴町9-21 丸二ビル3F
営業時間: 12:00 〜 19:00
定休日: 木・金曜日
HP:https://ito-denwa.com
Blog:https://ito-denwa.com/apps/note
Instagram:@itodenwa_shizuoka
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