柳宗理の指導により生まれた「出西窯(しゅっさいがま)」シリーズの陶器

今日のひとしな
2017.11.11

~designshop(デザインショップ)より vol.11 ~

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島根県で焼物を作る「出西窯」は、数ある民藝陶器の窯元の中でも、特に知られているところかもしれません。柳宗悦(やなぎむねよし)が提唱した「民藝」運動は、高名な作家が手掛けた美術工芸ではなく、名もない工人が作る日常雑器の素朴な佇まいに美しさを見出そう、という運動。「出西窯」は、その宗悦の思想に共鳴した若者が開いた窯です。

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ちょうど昨年の今ごろ「出西窯」に行く機会があり、自由に入ることができる工房内を見学させてもらいました。工房内は分業制になっていて、各自の作業をとてつもない速さでこなしていく職人さんの手仕事の技に、「さすが」と目を見張りました。

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当店で取り扱っているのは、「出西窯」の作品の中でも、柳宗悦の子息にして日本を代表するプロダクトデザイナー、柳宗理の指導により生まれたもの。「出西窯」を代表する青の釉薬ではなく、白と黒の陶器です。

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元々は、父・宗悦の骨壺を作るために出西を訪れた柳宗理が、「出西窯」に感銘を受け、そのまま自身の骨壺も作るとともに縁が生まれたようで、柳宗理が逝去した際のお返しの品にも「出西窯」の湯呑みが使用されていたほど(ちなみに写真の湯呑は、「designshop」オーナーの森が柳家よりお返しとして頂いたものです)。

インダストリアルデザイナーとして大量生産品を手掛けることが多い柳宗理ですが、「出西窯」に対しては並々ならぬ思いを持っていたのだろうなぁと感じます。

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「出西窯」の器は手仕事の品ということもあって、その人気に、生産がなかなか追い付かない状況があるようです。当店への入荷も限られているためお待たせすることも多いと思いますが、ぜひ柳宗悦と柳宗理の思いが込められた「出西窯」のお品を、手に取って頂ければうれしく思います。

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文:鹿野幸祐

出西窯|柳宗理

 

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designshop(デザインショップ)

シンプルライフ、クオリティライフにふさわしい、流行に左右されず末永く使える優れた商品を発信するショップ。「今日のひとしな」コラム執筆は、オーナーの森 博さん、店長の鹿野幸祐さん、広報の杉江厚子さんをはじめとするスタッフのみなさん。

 

東京都港区南麻布2-1-17 白ビル1階
03-5791-9790
営業時間:11:00~19:00
定休日:土、日、祝日
http://www.designshop-jp.com

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