「こんなところから失礼します」…おすすめ帖vol.18

『ナチュリラ』本誌でも、季節ごとのリアルクローズとそのおしゃれな着こなし方を提案してくださっている人気セレクトショップ「アナベル」。店主の伊佐さんによる「季節のおすすめ帖」連載コラムです。季節ごとのおすすめの品を月に２回、ご紹介しています。

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photo：川本浩太　text：伊佐洋平　model：伊佐奈々

今年の秋冬は、ブラウスやシャツの提案を増やすと決めていました。お店に来ているお客様には、なんとなく感じていただいているかと思うのですが、昨年末あたりから、ボリューミーなワイドパンツにシャツ、ブラウスを合わせ、それをベースにした重ね着のイメージをずっと頭に描いてきました。この秋冬は「blue in green（ブルーイングリーン）」さんにお願いしたふんわりパンツ秋冬版を強い味方に、トップスで様々なシャツの提案を行っています。今日はその中で一つ、あの不器用なデザイナーが作る「usual（ユージュアル）」から新作のバンドカラーシャツを使ったスタイリングを紹介します。

「ユージュアル」は、今年の4月にこちらのページでも、「ふたりの方程式」という題名でワンピースをご紹介した、2017年に始まったばかりのブランドです。

少しだけボタンを中心からずらした、小さな丸首のデザインは、どこかオリエンタルな香り漂う、凛とした雰囲気を纏っています。

こちらは「ハケメベージュ」というカラー名で発売する素材です。他のカラーは少し張りのあるタイプライタークロスを使用していますが、こちらのカラーはふんわりとしたタッチのコットンフランネルを使っています。素材は違いますが、同じ商品の色違いという扱いです。「ハケメ」は、男性のワークシャツなどには良く登場する生地ですが、レディースのシャツにはあまり見かけません。織柄が刷毛でペンキを塗ったような印象であることから“刷毛目”、そのように呼ばれます。

こちらはタイプライタークロスのグレーを着用しています。「硫化染色」という特殊な染色加工を施したシャツ生地は、シワとムラを伴い、とても味わい深い印象です。

このオリエンタルなムードに、赤いソックスと黒のパンプスが良く似合います。

タックインもとてもお勧めです。

昨年からイメージし続けていたスタイリングの一つです。冬の重ね着をここからスタートする。

巻物を巻いたり。セーターを重ねて裾を見せたり。

カーディガンを羽織ったり、ワンピースを羽織ったり。

薄手のコートは早めに活躍します。

ブラックにピンクのショールを巻いてみます。

少し強いカラーリングのトップスを、ボトムスの色とふんわりしたシルエットが和らげてくれるように感じます。

こちらもパンプスの色違いをハイソックスで合わせてみました。パンツは少し丈が短めですが、冬はハイソックスやタイツに合わせてお楽しみください。

ブラックを別なボトムスにタックインしてみました。

様々なスタイリングに使うことができるのも、シンプルなシャツの良いところです。

素敵なコートに身を包み、特徴的な首元を覗かせて。

こちらは完売してしまったグリーン。

白のふんわりパンツにタックイン。そしてこのシャツ、袖口のデザインも素敵なのです。

釦を留めると通常のシャツよりキュッとなる印象。釦を広げると筒袖のジャケットのような印象です。折り返して着てもかっこいい。

上からガウンのような羽織りものを。

コットンのシャツをインナーにすることで、羽織りものやセーターを着た時にも秋から冬にかけて心地よい重ね着が想像できる。

この上からコートを着るころには、シャツの上にセーターを合わせるスタイリングもサマになる季節なのでしょう。少し裾を出して見せて、メンズライクなスタイリングも楽しんでほしいと思います。

予定では、このシャツの納品は8月でした。

遅れに遅れ…「そろそろどうかな？」って声をかけた9月初旬、「来週には必ず…」と言ってはまた少し遅れて、結局今回もデザイナーが手持ちでお店に持って着てくれました。

普通は、納期が1か月半も遅れたら少し頭にもくるのですが、なぜだか許せてしまうキャラの持ち主です。ちなみに同納期のはずのワンピースは、未だに入荷してません。こんなところから失礼いたします。「ワンピース、早く持ってきなさい」「けっこう皆さん、楽しみにしています」

「usual（ユージュアル）」に関しましては、4月の記事（ふたりの方程式）もぜひご覧ください。

シャツ　usual（ユージュアル）　￥18,000+tax

パンツ　blue in green（ブルーイングリーン）￥23,000～26,000+tax

※現在追加生産中です。

＊編集部より　伊佐さんのこの秋のシャツの着こなしは、現在発売中の『ナチュリラ』2019秋号vol.48でも特集していますよー。本誌のほうもぜひご覧になってみてくださいね！