【後藤由紀子さん連載】実はぐっすり眠れないことが悩みです【後編】
text:鈴木麻子
不眠に悩んでかれこれウン十年……。積年の課題をなんとか克服したいと、快眠セラピストの三橋美穂さんを訪ねた後藤由紀子さん。2週間の睡眠を記録した「睡眠日誌」をチェックしていただいたところ、寝付くまでに1~2時間を要していて、「睡眠効率が悪い」とのこと。【前編】では、体と心をリラックスして眠りにつくためのストレッチやおすすめアイテムを教えていただきましたが、【後編】では、自分に合う枕を選んで睡眠の質を上げる方法を伺いました。
睡眠メソッドについていろいろアドバイスをいただいた後藤さん。いよいよ、この日一番楽しみにしていたというメインイベント、枕選びへ。実は後藤さん、長年、枕を使っていないのだそうで……。
「枕があると首の付け根に負担がかかるような感覚があって、子供のころからずっと、フェイスタオル一枚を敷くだけで寝ているんです」。それを聞いた三橋さん、紫の小さな枕を取り出しました。こちらは三橋さんが開発した『“日本人の頭の形”に最もフィットした「極」快眠まくら』という枕。
後「わー、すごくラクです! いままで試した枕は頭の上のほうが下がってしまう感覚で違和感があったのですが、それが全然ないですね」
三「日本人の頭の形と首の長さにぴったりフィットする形と大きさを考え抜きました。呼吸が通る感じがするでしょう?」
そこで、寝ている後藤さんを真横から見てみると……。
一番上が枕ナシの状態。あごが上がり、頭が下がってしまっていて、ちょっと苦しそうです。そして2番目が、フィットした枕で寝ている状態。自然な姿勢で、呼吸もしやすそう。さらに一番下は、高すぎる枕で寝ている状態。首に負担がかかってしまっています。
後「枕の選び方次第で、こんなに寝心地に違いが出るのですね。驚きです」
三橋さんが次に取り出したのはこちら、傾斜つき枕「トゥルースリーパー セブンスピロー」。“面”で頭から上半身を支えるので、頭、首、背中、両肩、両腕の7ヵ所にかかる圧力を分散して、首の後ろや肩の隙間も埋めてくれるとのこと。
後「これ、とてもフィットする感じがします!」
三「うつぶせに寝ても胸が圧迫されないから、うつぶせ寝が多い方にもおすすめですよ」
後「ほんと、この体勢でも苦しくないですね。こんな枕があるなんて、知りませんでした」
そして、「最後に、もうひとつ」と見せてくれたのは、中にジェルブロックが貼ってあり、体にかかる圧力を分散してくれる枕「テクノジェルスリーピング」。
三「超立体設計といわれていて、首と後頭部にぴったりフィットする、私もお気に入りの枕です。でも、これは少し高さがあるから、後藤さんの体型には傾斜つきマットレスのほうが楽かしら?」
後「はい、私は傾斜つきマットレスが一番ラクでした。枕選びって、とても大事なんだなと実感! すぐに枕ナシ生活を卒業したいと思います」
三「頭や首をちょうどいい角度で支え、呼吸をラクに通してくれる枕はとても重要です。それぞれの体型によって合う枕は違うので、いろいろ試して選ぶのがおすすめですよ」
そして最後に、なかなか眠りにつけないときのための簡単な体操を教えていただきました。
三「筋弛緩法といって、まず両手にぎゅっと力を入れて筋肉を5秒ほど緊張させたあと、ストンと一気に緩めます。次に両足、全身の順に行う体操です。これを繰り返すと体の緊張が自然にほぐれますよ」
後「長年のことだったので、深く眠れないのはしかたがないのかなと、半ばあきらめていました。でも今回、よりよい睡眠のためのアイテムや方法をいろいろ教えていただき、光が見えてきたような気がします(笑)」
三「眠れないことがあっても、日中の活動に支障がない程度なら『こんなもんかな』くらいに考えて、気に病まないでくださいね。いくつかの方法を試して、自分に合うものを見つけられれば、きっと快眠へとつながるはずです。睡眠は生きることの土台ですからね」
以前からの悩みを解決する糸口をつかんだ後藤さん。今回の取材をきっかけに、ぐっすり眠れる日々が訪れますように!
Profile
後藤由紀子
静岡県・沼津で器と雑貨の店「ハル」を営む。最近は「出張hal」として日本各地で期間限定の出店も。二人の子供は社会人となり、子育てもひと段落。暮らしの工夫や気づきを綴った飾らないエッセイも好評。近著に『50歳からのおしゃれを探して』(KADOKAWA刊)
Instagram「@gotoyukikodesu」
三橋美穂
快眠セラピスト・睡眠環境プランナー。寝具メーカーの研究開発職を経て2003年に独立。講演や執筆、ベッドメーカーのコンサルティング、快眠グッズのプロデュースなど、「眠り」に関わるさまざまなことを行っている。『眠トレ!ぐっすり眠ってすっきり目覚める66の新習慣』(三笠書房)、日本語版を監修した『おやすみ、ロジャー魔法のぐっすり絵本』(飛鳥新社)など著書多数。昨年、監修を手掛けた『“日本人の頭の形”に最もフィットした「極」快眠まくら』も大ヒット。
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