「歩く」が、こんなに楽しいなんて!vol.3

からだ修行
2020.07.05

今月の先生:黒木公美さん(イハナ ノルディックウォーキング)

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準備運動を終え、先生の指導のもと、いよいよノルディックウォーキングに挑戦です。まずは腕。


「肩から二の腕を動かす筋肉は、鎖骨の下、胸から始まっています。なので、腕は胸から生えているようなイメージで、胸・肩・二の腕・手を振り子のようにふります。腕をスムーズに大きくふると、自然と歩幅も連動して広くなります


そして脚。「脚を動かす筋肉(大腰筋)は、みぞおちとおへその中間くらいが始点。脚は股下からではなく、みぞおちの少し下からというイメージで脚を出します。腕ふりと連動させることで、大きな歩幅になり、上半身と下半身がつながった全身運動になるんです」

かかと着地は衝撃が大きく、体に負担がかかるので、足裏全体でフラットに着地するように。重心はみぞおち(中丹田)あたりを意識すると、背筋や腹筋がのび、姿勢がよくなります。おへその下(下丹田)だと重心が低く、ひざが曲がってしまったり、背中が丸くなりがちなので注意です。




まずはポールのことは気にせずに歩いて、手と脚をふる感覚をつかみます。リズムがつかめてきたら、次はポールを使い、脚の動きと腕の動きを連動させていきます。




腕とポールが一直線になるよう、手をポールから離し、後ろに押し出すようにします。この動きが、二の腕引き締めに効果を発揮するのだとか。


歩幅、リズムなどは、あくまで本人が「気持ちがいい」と思う感覚で。負担に感じるような激しさは一切必要ナシ。気負いなく、自分のペースで、いざ出発!


歩いてしばらくたつと、やはり単なる散歩とは違い、徐々に自分の心拍数が上がり、じんわり汗をかくのを感じます。呼吸は鼻から吸って、鼻または口から吐く。先生曰く「リラックスしたいときは4~5歩で1回、アクティブになりたいときは2~3歩で1回」。

呼吸の仕方によって、確かに気分が変わります。「歩く瞑想」とも言われるノルディックウォーキング、体の中に心地よい風が吹き抜けるような感覚を味わいながら、日々の雑念たちが、どんどん消滅していくのが分かります。同時に五感が鋭くなって、木々のざわめきや光のグラデーション、緑の濃い香りなどが、ぐっと鮮やかになって意識に上がってきます。

朝は曇り空だったのが、徐々にキラキラとした光が差してきて……歩きながらつい、言葉が口をつい出てきます。

「わあ、木洩れ日が綺麗!」
「あじさいも満開ですね」
「落ち葉を踏みしめるこの感じが気持ちいい~」

などなど、おしゃべりしながら歩くのが、何とも楽しい。


ノルディックウォーキングにとって、この「何気ないおしゃべり」も大切なポイント。もちろん黙々と歩くのもいいですが、グループで歩くことによって、心地よさを共有できる。たくさんの言葉はいらなくても、楽しさや気持ちよさを共有できる距離感が、リフレッシュできる要因のひとつにもなっているのです。


公園内を数十分歩いて、本日のウォーキングは終了。その後取材を終えて帰宅しましたが、黒木さんの予言(?)通り、ノルディックウォーキングを体験したあと2~3日は、体の中がさわやかな幸福感で満たされていて、会う人会う人に「ノルディックウォーキングの素晴らしさ」を訴えるような日々でした(笑)。

マラソンみたいにハードな運動ではないので、「終わったあと、疲れて何もできない」みたいな状態にならず、逆に頭はすっきりして、集中力が増す感じ。こういう運動なら、仕事をしながらでも無理なく続けられそうですし、何よりこういう程よい「自然とのふれあい方」は、これからの時代たくさんの人々に求められている気がしました。

後日談。取材が終わったあともあまりにも気持ちよさが続くので、黒木さんには友人たちを交えてのプライベートレッスンをお願いすることにしました。またあの心地よさを味わえるのが、今からと~っても楽しみです。


photo:砂原 文 text:田中のり子

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Profile

黒木公美

Kumi Kuroki

東京生まれ、東京育ち。2014年ノルディックウォーキングのインストラクターとジュニアスポーツ指導員の資格を取得。2016年女性限定のノルディックウォーキングクラブ「IHANAノルディックウォーキングクラブ」を立ち上げる。砧公園・駒沢公園のレギュラーレッスンほか、各地で日帰りプログラムを開催し、年間延べ600名が参加。漢方上級スタイリストの資格も持ち、心身ともに健康な女性を目指すアイデアを提案している。
https://ameblo.jp/kumikuroki/

 

田中のり子

Noriko Tanaka

衣食住、暮らしまわりをテーマに、雑誌のライターや書籍の編集を行う。『ナチュリラ』(主婦と生活社)は創刊当初からのスタッフ。構成・執筆をした『これからの暮らし方2』『こころとからだを整える』(ともにエクスナレッジ)が好評発売中。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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