第16回 グレープフルーツ入りでも、あの「ファンタ」だってレモネード!?〜ベルギーの「ホームメイド」ドリンクいろいろ
こんにちは、料理家の栗山真由美です。
ベルギーは、1日の中で天候が激しく変わることが珍しくありません。突然、大雨が降ったと思うと、10分後にはピーカンということもよくあります。気温の変化も激しいので、1日のうちに何度も着替えることがあります。
さて、今回はそんなベルギーらしさから生まれた飲みものを紹介します。
みなさんの定番のドリンクは何ですか? 暑くてのどが乾いている日の昼間で、食事と一緒ではない場合はどうですか?
私が以前オーダーしていたのは、スパークリングウォーターが多かったです。あとは、辛めのジンジャーエール。これらは今も好きですが、ベルギーに来て開眼したものがあります。
流行りのカフェ、ヘルシー・ビオ志向のカフェに行くと、“ホームメイド”のカテゴリーがあり、たまたま頼んだ「ホームメイドレモネード」がおいしくて、それ以降オーダーするようになりました。
しばらくすると、「ホームメイドレモネード」でも、レモン以外の種類があることに気づきました。メニューにも、グレープフルーツなどの選択肢があります。これはどういうことだろう? レモン以外はレモネードとは言えないのでは? など疑問が浮かびました。
日本でのレモネードは、レモン果汁に甘み(砂糖やはちみつ)を加えて溶かし、水で割ったもの。ベルギーでは基本の作り方は同じですが、レモンに限らず柑橘系であれば代用でき、レモンでなくてもレモネードと名乗っていいようです。炭酸で割る場合もあります。
さらに、お店によっては、“しょうが”や“ザクロ”なんて選択肢もあり、既に柑橘系ですらないのですが、実用性が優先で、フレキシブルに人も流行も変化していく傾向はベルギーらしさだと思いました。甘みが薄くて軽いのも魅力です。
ちなみに、柑橘系+甘味+水分が主成分の「ファンタ」も、ベルギーではレモネードの分類だそうです。もちろん、ホームメイドではありませんが。上の写真は、お気に入りのピンクグレープフルーツのレモネードです。
また “ホームメイド”メニューの中に、「ホームメイドアイスティー」もよく見ます。こちらはさらに汎用性が高く、今や無限にバラエティが広がっている状態。定義もあってないような…。
もともとは紅茶を煮出して、フルーツやスパイスを加えた飲みものだそう。現在は、そのお茶も紅茶に限らずに楽しむようになり、緑茶やハーブティーを使う人も多いようです。写真はクランベリーティーをベースにした「ホームメイドアイスティー」です。
私は料理教室をしていた頃、夏場のウエルカムドリンクはデトックスウォーターにすることが多かったです。「ホームメイドアイスティー」は、まさにその延長線上の飲みものだと感じます。お茶も水出しだとより楽ですし、緑茶+ミント+しょうが+レモン+ライム+水をポットに混ぜました。数時間後には、風味豊かなさっぱり味の「ホームメイドアイスティー」ができました。
ほかに、ローズヒップティー+オレンジ+レモン+しょうが+クローブ+シナモン+水でも作りました。こちらも大成功。自宅で試すのも手軽ですし、カフェならそのお店のセンスが出ると思います。
上の写真にはミントのプランターも写っていますが、これもベルギーの特徴。ベルギー人はミント好きであるとともに、園芸が生活に根づいています。ハーブは小さなパック入りも売っていますが、大差ない価格で、こんな立派なプランターが買えます。
新型コロナウイルスのロックダウン開けに、最初に営業再開したのも園芸店でした。これもベルギーらしいエピソードです。お茶つながりで、ミントを使ったフレッシュミントティーはベルギーでも定番です。写真手前はミントティースカッシュです。
最後の写真は、ミントにまつわる驚いた光景。毎週日曜日開催のマーケット、Vogelenmarktに行くと、ミントは写真のような大胆な売られ方をしています。こんな大束で1€とは驚きです。ミントはモロッコ産が多いです。
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【栗山さんのベルギーおいしいもの通信⑮】はこちら
Profile
栗山真由美
料理家、栄養士。枝元なほみさんのアシスタントを経て独立。ポルトガル料理を中心とした料理教室「Amigos Deliciosos」を12年前から東京で主宰、日本ポルトガル協会の公認講師も7年間務める。2019年より、イギリス人のご主人とベルギー・アントワープに在住。著書に『ポルトガル流 驚きの素材組み合わせ術! 魔法のごはん』(エイ出版)、『「酒粕」で病気知らずになる ゆる粕レシピ』(池田書店)など。
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Instagram: mamicastanha
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