肌に心地よいおしゃれ ― 金沢「石田屋」店主・田中佳美さんvol.3

大人になったら、着たい服
2020.10.21

気温がぐっと下がって、秋冬用のお布団が恋しい季節になりましたね。
石川・金沢で大正時代から続く寝具店「石田屋」を営む田中佳美さんは、「睡眠の質を上げて目覚めがよくなったら、人生が変わった」と語ります。
田中さんが提案する”よりよい眠りと””心地よいおしゃれ”について4日間に渡ってお伝えします。

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金沢の老舗布団店「石田屋」がプロデュースする「gamadan(ガマダン)」は布団から枕まで、実際に寝心地を確かめて自分の眠りを自分でデザインできる、というショップ&体験型ショールームです。「肌に心地いい布団を選ぶのも自分らしくいられる洋服を選ぶのも同じこと」そう語る店主の田中佳美さんに秋冬の装いを見せていただきました。

 


秋の装いは軽くて
暖かいシルクのコートから
シルクシャンタンのコートとタイ風のパンツは、いずれも「シャント・ドゥ・コクシネル」でオーダーで仕立ててもらったもの。身につけるものは天然素材と決めている。シルクは通気性がよく薄くても暖かい。靴は「タチノチエ」。

 

インナーや寝具、
人の目に触れないものに
上質素材を。
それが大人の
豊かな暮らしをつくります

北国金沢の冬は、さぞかし厚手のセーターなどが中心と思いきや……。

「冬でも、暖房の室内に入ってムッとするのが苦手。だから薄手の洋服が多いんです」と田中さん。

その代わり、上質なメリノウールのインナーが欠かせません。

「薄手なのに保温性がよく、呼吸する素材なので湿気がこもらないんです。このインナーさえ着ていれば、冬場でもリネンやコットン素材のパンツやワンピースで十分暖かいんですよ」と教えてくれました。


冬のおしゃれは薄手が基本
上質素材を足し算して
(右上)ニュージーランド「ヤーン」のメリノウール製インナーを愛用。 (左上)コートも薄手のものを。右は「シャント・ドゥ・コクシネル」。左は「45R」。 (右下)奥は乗馬が好きな田中さんがお気に入りの馬柄ストール。手前は「ロロ・ピアーナ」。 (左下)パジャマは「プリスティン」。グレーのブランケットはカシミヤ100%で「石田屋」オリジナル。オフホワイトはイタリア「アロンビ」のもので、カシミヤ70%とシルク30%の混紡。

 

そんな洋服の素材選びは、田中さんが仕事で取り扱っている寝具と同じ。

「布団を選ぶうえでいちばん大切なのは、肌に触れる心地よさ。そのために必要なのは、『湿気』なんです。季節に合わせた湿気コントロールと、体温維持ができることが大事です」

田中さんは季節によって組み合わせを替えつつ愛用しているそう。

「自分に合った寝具を揃えることで、眠りの質が上がり、朝の目覚めがすっきり! 60歳になった今がいちばん元気ですね。やりたいことがやれる人生になったと思います」

心と体が健やかであるために。そんな眠りとおしゃれが、ありのままの自分を輝かせてくれそうです。


『大人になったら、着たい服 '20-'21 秋冬』より
photo:ワタナベアニ text:一田憲子

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gamadan(ガマダン)

敷きパッドからマットレス、枕、かけ布団など石田屋オリジナルアイテムを試すことができ、自分に合った眠りをつくることができる。寝心地を試すことができる宿泊体験ルームや、発酵ランチが人気のダイニングカフェも完備。

 

石川県金沢市高尾3-4-1
TEL:076-298-4800
OPEN:11:00~19:00(火曜定休)
https://www.ishitaya.com/gamadan/

Profile

田中佳美

Yoshimi Tanaka

21歳で、大正12年創業の金沢の老舗布団店に嫁ぐ。品質が確かな海外メーカーから直接商品を仕入れる独自の販売スタイルを確立。体験型ショップ「ガマダン」や、上質な寝具を揃えた「眠音ホテル」のプロデュースも手がけた。
https://www.ishitaya.com/

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