「春を始めるとき」…おすすめ帖vol.27

おしゃれさんコーディネート
2020.02.08


『ナチュリラ』本誌でも、季節ごとのリアルクローズとそのおしゃれな着こなし方を提案してくださっている人気セレクトショップ「アナベル」。店主の伊佐さんによる「季節のおすすめ帖」連載コラムです。季節ごとのおすすめの品を月に2回、ご紹介しています。

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photo:川本浩太 text:伊佐洋平 model:伊佐奈々

季節の変わり目には、気分が切り替わるほどの衝撃が欲しい。「着たい!」という気持ちが寒さを吹っ飛ばして否応なしに春へ放り込んでくれる。毎シーズン、立ち上がりにはその役割を担ってくれる商品を自身の中でなんとなく決めている。今シーズンはこれです。

 

 

「ゴーシュブルー」と呼ばれる鮮やかなブルーは、春の始まりにふさわしい。展示会で見た時から、セットアップで提案したいと思っていた。

 

 

 

着姿を見るとあらためて、ゴーシュの洋服つくりの凄みを感じます。お店でも声をそろえて思わず言ってしまう。「やっぱ……すごいね」って。

 

 

 

着た時に現れる布地の表情、裾がどう収まるか、ところどころに現れる分量感、ある程度どんな体型の人が着ても同じ雰囲気を出すことができる。実際に、バスト周りがある妻は、洋服を着た時におなかの下あたりが跳ねることがよくある。しかし、どんなにタイトに作られた洋服でも、「ゴーシュ」の洋服ではそのように感じたことがない。

 

 

 

ふんわりとした「COOVA(コーバ)」の春のストールを合わせて。

 

 

 

インナーも「ゴーシュ」のコットンニットを。こちらもニット製品とは思えないほど立体的で、美しいデザインです。もちろん、体を入れてみて初めてその美しさが見えてくる。

 

 

 

毎回感心するのは、我々バイヤーでも展示会で見た時より納品されてきた時のほうがより良いと思えるところです。展示会では気づけない魅力に、当期になって初めて気づかされているという事なのだと思っています。だから「ゴーシュ」の展示会で商品を見るときは、そんな期待値も込みでいつも見ています。

 

 

 

ヒールを履いてみると、また違った雰囲気を醸してくれる。個性的でいてきれい。

 

 

 

スエット生地のカジュアルなワンピースにコートを羽織る。すごい存在感で、スタイリングを牽引してくれます。「ゴーシュ」について語る時に、何度も書いている一文があります。「着た瞬間にデザイナーの世界観にいざなわれる洋服がモード服の定義であるならば、ゴーシュはモード服なのかもしれない」

 

 

 

今ではずいぶんと知っていただいているお客様も増えてきましたが、お店を始めた8年前は、まだまだ知らないお客様のほうが多かった。基本的に派手さのないシンプルなお洋服の多い「ゴーシュ」を見たお客様によくこんな質問をされていました。

 

 

 

「なんでこんなに高いんですか?」

 

 

 

今でもたまに聞かれますが、とても言葉で伝えるのは難しいのです。世界中で知られているビッグメゾンの作るお洋服は、倍の値段が付いていても誰も高いとは感じないと思うのですが、「知らないブランド」にその価値はなかなか見いだせないというのは、当然のことなのだと思います。

 

 

 

だからいつも、「まず着てみてください。」っていうところから始まります。正直、試着だけでは本当の魅力は感じていただけないのですが、少なくとも見ているだけとは違う、着てはじめて伝わる感触はあると思います。

 

 

 

そして、ついでに少しゴーシュのお二人の話をしたり、彼らがもともと所属していたビッグメゾンの素晴らしいモノつくりについても触れてみたり。

 

 

 

それで一度触れてもらうと、「すごくよかった」「良すぎてたくさん着た」「あれ、良かったわよ。あのブランドの服、他にないの?」って段々ファンが増えてくる。

 

 

 

洋服が、ライフスタイル提案の一部になりつつあるように感じる昨今、ライフスタイルに準じたファッションが暗に系統化しているようにも感じます。そんな中、「ゴーシュ」のお洋服は相変わらず様々な人に買っていただけるという妙な特徴を持っている。

 

 

 

7年前、展示会の際にお二人にあるエピソードをお話ししました。簡潔にまとめますが、「ゴーシュ」をまったく知らない70代のお客様が「ゴーシュ」の羽織コートを買っていかれて、しかもそれがとても良く似合っていて、買っていかれた翌年も嬉しそうに着てくださっていたという話を彼らにした際に、本当にうれしそうに、こんな風に言っていたのを覚えています。「そういうモノづくりをずっと心掛けてきたので本当に嬉しい」

 

それは、年齢や体型、もっと言えば、趣味趣向さえも飛び越えて、様々な人に長く愛される洋服づくりを目指しているという事。我々がアナベルを始めるときに考えていた「普遍性のあるスタイルの創造」と同じ感覚を得られるものでした。ライフスタイルに系統化しない洋服を考えた時、ファッションをライフスタイルと少し離して考えた時、「ゴーシュ」というお洋服はやっぱりすごいなって思えるのです。

 

コート:¥53,000+tax

パンツ:¥32,000+tax

 

 

*編集部より 伊佐さんスタイリングの小物が映える冬の装いを現在発売中の『ナチュリラ』2019冬vol.48で特集していますよ。本誌のほうもぜひご覧になってみてくださいね!

 

アナベル

神奈川県横浜市青葉区美しが丘2-20-1美しが丘アレービル104 
東急田園都市線たまプラーザ駅から徒歩5分
℡:045-482-4026
営業時間:11:00~20:00 水曜定休
http://www.f6products.com/
https://www.instagram.com/annabelle_104/

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