お鍋の次の日「おたのしみ雑炊」
「暮らしの店en」小見映子さんvol.4
こんにちは。「暮らしの店en」の小見です。
朝ごはんの連載も本日が最後となりました。どうぞよろしくお願いいたします。
今日の朝ごはん
昨夜の鶏団子鍋をアレンジした雑炊、イワシの丸干し、漬物に番茶です。
冬のお楽しみは、前の晩の残りのお鍋を雑炊にする事。お野菜をたっぷりいただけて心身共に温まるお鍋は冬の定番料理です。イワシの丸干しは、時間がある時に焼いて冷凍しておいたものなので、朝することといえば残りのお鍋にご飯を入れて卵を落とすだけ。卵は溶いて入れたらすぐに火を止めます。半熟ぐらいが好みです。
お椀:工房しんたく
楕円小鉢・長皿・湯呑:志和地窯
スプーン:公長齋小菅
少し大ぶりな漆のお椀は、工房しんたくのもの。2005年、ご自身で近くの山に漆の木100本を植えられました。その木から漆が採れるようになったのが3年前だそうです。こちらの漆は浄法寺漆。まだ、しんたくさんの漆が育つ前のお椀です。たっぷりお汁が飲みたい時などとても重宝しています。お手入れも普通に洗ってサッと拭くだけ。漆のお椀は軽くて扱いも楽で、何より使うごとに艶が増し、愛着が湧くばかりです。これからしんたくさんが自家採取された漆を使い、どのような作品を作られるのかとても楽しみです。
お椀:工房しんたく
我が家は黒こしょうが好きでなんにでも黒こしょうをかけます。ある時こしょうを挽くミルが壊れてしまい、どうしたものかと思案して思いついたのが、すり鉢で粒こしょうを粗めにつぶす事です。すりこぎで何度か叩いてつぶし、竹のスクレーバーでパラパラとふりかければ余すことなくふりかけられます。一見手間なようですが、慣れてしまえばそれ程時間もかからず苦にもなりません。むしろ挽きたて黒こしょうの風味が味わえるので楽しんで使っています。
すり鉢はとても小さくて、直径13cmほど。島根県岩見地方のものです。我が家ではほぼ黒こしょう専用なので、使った後もいちいち洗ったりせずそのままにしてとても気軽に使っています。すりこぎは山椒の木、スクレーパーは竹、どちらも国内で作られた優れものです。
今日使った器たちです。
お湯呑、長皿、楕円小鉢と志和地窯が揃いました。志和地窯の佐藤先生は、器を作られる時にはまずご自分で地元の土を採りに行かれるところから始められます。そして粘土を作り、素焼き本焼きと全ておひとりでの作業です。80才になられた今、器作りは少しお休み中ですが、我が家の暮らしにいつも寄り添ってくれる志和地窯の器たちは、我が家の食卓の歴史でもあります。
口に当たる部分に絶妙なカーブが付いている竹のスプーンは公長齋小菅のもの。京都で竹製品を100年以上作り続けている老舗です。竹のスプーンは口当たりがとても優しいので、カレーにスープにお粥にと我が家では大活躍です。
スプーン:公長齋小菅
1ヶ月に渡り、拙い私の連載にお付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました。
私もそうですが、毎朝々々続く朝ごはんの支度は正直たいへんな時もあります。でも、たった一つの器が日々の食卓を豊かにする事もあると思います。食べる人はもちろん、作る人も笑顔になれる…そんな食卓のお手伝いが出来たならばとても嬉しく思います。
連載のお話をいただいた時、器専門店では無いのに大丈夫かなと不安だらけでしたが、回を追うごとに、改めてお店にかかわって下さっている作家さんや作品の素晴らしさを感じる事が出来ました。
そして、「私は朝ごはんが大好き!」そんな朝ごはんの連載を書く機会を下さった「暮らしとおしゃれの編集室」の皆様に感謝いたします。ありがとうございました。
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定休日:月曜、火曜
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