【金子敦子さん連載】vol.8 秋川渓谷を歩こう!【後編】

金子敦子さんの大人のソトアソビ。
2022.10.11

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今日、昼食をとるのは「黒茶屋」。1967年創業の「黒茶屋」は、築300年の庄屋造りの古民家で旬の食材を使った炭火焼きや山菜料理を楽しめるお店です。敷地内に入った瞬間、「いいね〜素敵!」とテンションがぐんと上がる金子さん。「入口の大きな水車、行灯の灯り、せせらぎの音。瀟洒な建物が連なる姿に味わいを感じる、まさに大人のワンダーランド!」




テイクアウトもできるお弁当(要予約)を購入し、秋川渓谷を臨む喫茶スペース「野外テラス 水の音」でいただくことに。3種類あるお弁当から選んだのは、鮎の塩焼きが入った「黒茶屋のお弁当」と鳥の鍬(くわ)焼きやパプリカの甘酢漬けが入ったちらし寿司の「黒茶屋 鳥ちらし寿司弁当」。もうひとつは「だし巻き玉子サンド」に。「絶景のテラス席でいただくお弁当の味は、もう最高! どれも彩りがきれいだし、付け合わせまで全部おいしかったです。『多摩ゆずサイダー』も歩きつかれた体に染みた〜」


食後は9月に還暦を迎えた金子さんのお誕生日をサプライズでお祝いです。0のろうそくが売り切れで6歳になってしまいましたが、「最高の60歳記念日!」と喜んでくださいました。




敷地内には「おみやげ処 水車」や「茶房・テイクアウト 糸屋」のほか、「おやき屋 竹庵」、夏季はかき氷のお店も。「秋川渓谷を眺めながら休憩できるスペースもあるし、食事をするだけではもったいない! 時間に余裕を持って来て、散策を楽しむのがおすすめ」


次に向かったのは「真木テキスタイルスタジオ」。1989年にデザイナーの真木千秋さんがインドで創作活動を始め、現在も北インド・ヒマラヤ山麓の工房で、40人ほどのスタッフとともに染色植物を育て、手で糸を紡ぎ、手織りしてつくった布で衣服を製作しています。小さな木の看板を見つけて坂を上がっていくと……。




600坪の敷地内には、社屋として使っている築200年超の母屋と、東京・表参道から移転して2006年にオープンしたショップ「竹林Shop」が佇んでいます。「大きなけやきの木に見守られるように佇むふたつの建物は、まるで絵のよう」と金子さん。



「竹林Shop」には、シルクをメインに、季節によってリネンウールやウールの服やストール、バッグが並んでいます。一口に自然素材といっても、これまでに触れてきたものとは違い、野趣あふれるものばかり。「デザイナーの真木は素材感が強いものが好きなんです。例えばうちで使うシルクはシャリシャリしていてハリがあるのが特徴で、それは、生糸の保護層であるセリシンを落とさずに使っているから。使ったり、洗ったりするうちにやわらかくなって、ツヤが出てきます」とスタッフの大村恭子さん。


大村さんが着ているのはヒマラヤウールの手織りのベスト。一枚の布に穴を開けたシンプルなデザインなので、ストールやひざ掛けとしても使えるすぐれもの。左側に写っているバッグは「長くつくり続けていて人気がある」というあずま袋。茜やマリーゴールドなど、草木を使って染めた色もハッとするほど美しく、自然のエネルギーが伝わってきます。


間仕切りなどに使える布は、北インドの村の方たちに生地を渡して刺し子をしてもらったもの。


「竹林Shop」に併設しているカフェスペースは不定期でオープン。1カ月半ごとに開催しているイベントでは、出店するコーヒー店や焼き菓子店の方がキッチンを使って料理や飲み物をふるまうそう。「最近、移住してくる方やUターンする方がいて、おもしろい方たちがどんどん増えているから楽しいですよ」

「どの作品にも作り手の情熱と力強さが感じられたのですが、大村さんが『商品はパワフルでエネルギッシュな真木そのもの』とおっしゃっていて、お目にかかってみたくなりました。ここも十分、自然豊かですが、北インドの工房のまわりにはコブラやヒョウが出るそう。すごい環境ですよね。そんなお話を伺って、お店を出たら、不思議と元気になっていました。ここはパワースポットかも!?」

「真木テキスタイルスタジオ」から武蔵五日市駅までは歩いて10〜15分ほど。駅についたらすっかり暗くなっていました。「山歩きよりラクかな? と思いましたが、たくさん歩いたので、運動量は同じくらい。体力に自信がない方はバスを活用するのがいいかも」と金子さん。

「帰ってから、家族に秋川渓谷周辺の素晴らしさを興奮ぎみに話したら、熱がこもり過ぎてあきれられてしまいました(笑)。これまでは都心から近すぎて魅力に気づかなかったけれど、日常からたった1時間でエスケープできて、丸一日遊べて、心も体もリフレッシュできる。近いうちに必ずまた行きます!」

秋川渓谷の例年の紅葉の見ごろは11月中旬~12月上旬です。ぜひ訪れてみてくださいネ。

黒茶屋
https://www.kurochaya.com
※期間限定(5月中旬〜9月中旬ごろ)でJR武蔵五日市駅との間の無料シャトルバスを運行。

真木テキスタイルスタジオ 竹林の店
http://www.itoito.jp

※次回のイベントは10月29日(土)~11月4日(月)に開催予定。詳しくはホームページをご参照ください。


text:増田綾子

 

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Profile

金子敦子

Atsuko Kaneko

主婦。夫と娘との3人暮らし。看護師を経て日々の着こなしを自撮りで紹介するブログ『命短し恋せよ乙女★50代の毎日コーデ』をスタート。「あっこたん」の愛称で親しまれる人気ブロガーに。著書に『新 大人の普段着』(主婦と生活社)『お母さん、その服なんとかしよ!毒舌ムスメのファッションチェック』(飛鳥新社)がある。
Instagram:@55akotan

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