名古屋編vol.9~フランスの暮らしの中で受け継がれてきた衣服や道具を扱う「間と衣(まとい)」

地元のおしゃれさんが 案内する 小さな旅
2019.08.03

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photo&text:こんどうみき

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地下鉄東山線の池下駅から北へ徒歩5分ほど。看板や目印がなく、扉を開けるのに少し躊躇してしまうけれど、素敵な何かに出合えるに違いない……と感じさせる佇まい。ここは、フランスの古いものに魅せられたご夫婦が営むお店「間と衣(まとい)」。衣服と古道具を扱っています。

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静謐な空気感の漂う店内に心地よさそうに並んでいるのは、遠い時代の生活着や労働服。年に3回ほど、フランスの主に南方で開かれている蚤の市などをまわって買い付けてくるそうです。

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「私たちが美しさを感じるのは、生活の道具として使われていた衣服です。ファッション性が高くなってしまう1950年代より前のものが大半ですね」と教えてくれた店主の斎藤彰太さん。

シンプルであるぶん、当時の生地の質感や、時を経て生まれた表情が際立って感じられます。素材は綿、麻、ウールといった天然素材がほとんどで、中には家庭で手紡ぎされたものもあるとか。

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買い付けた衣服は、一枚ずつ丁寧に手洗いして、細部まで修繕してからお店に出すそうです。時にはあえて汚れを残したままにするなど、斎藤さん夫妻が「美しい」と思う状態で並べられています。イニシャルと思われる小さな手刺繍もそのままに。「母親が我が子のためにチクチクと施したのかな……」なんて想像するのも楽しいものです。

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主に18~19世紀の古道具も質感が魅力的なものばかり。棚の上段に置かれた馬のオブジェは、なんと紙製。陶器もガラスも木工品も、控えめな美しさをまとっています。アフリカやアジアの珍しい古道具もフランスで買い付けてきたもの。

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「衣服も古道具や民芸のひとつとして捉えています」と斎藤さん。まさに“用の美”を感じる品揃えです。

自分たちで改装したという内装やディスプレイの仕方にもセンスが光っていて、国や時代を超えた美しい世界観に浸りながらゆっくりと買いものを楽しめます。

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メンズとレディースを区別していないのは、それぞれの感覚で自由に選んでもらうためだそう。「本当に100年前のもの?」と疑いたくなるほど状態がよく、また潔いデザインに惹かれるものが多く、これまで古着に興味のなかった人にもぜひおすすめしたいお店です。

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8月11日までは、藍色や青色の衣服を集めた企画展「間(あい)」を開催中。フランスの古い染物には日本のそれとは異なる趣があるといいます。

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例えば、教会で着られていたというレースの美しいスモックだったり、「光の祭典」で有名なリヨンで使われていたキャンドルグラスだったり……。古いものにまつわる物語を聞かせてもらえるのも楽しくて。遠い時代と土地に想いを馳せながら、ゆっくりじっくり選んだ衣服や道具は、大切なものを受け継いだ気持ちでずっと丁寧に使い続けたくなりそうです。

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間と衣(まとい)

愛知県名古屋市千種区高見1-8-5 1F
TEL:なし
営業時間:11:00~19:00
定休日:木曜
https://www.matoi.site

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