【内田彩仍さんvol.4】〝着たい服〞と〝似合う服〞が合うようになりおしゃれを思う存分楽しめるように

「変えること、変わらないこと」特集
2023.11.30

 

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最近よくはいている、スタンプアンドダイアリーのワイドパンツ。薄手のスーピマコットン生地だから、背が低い私も軽やかにはくことができ、パンツスタイルで出かける日が増えました。

 

今、おしゃれすることを、とても楽しく感じています。これまでとは違った雰囲気で着てみたい服もあるし、自分に似合う着こなしもなんとなくわかってきて、今の気持ちに合う服を正直に選ぶようになったのだと思います。以前は、流行を気にしたり、着たいけれど似合わない服を諦めたりすることが多かったような気がします。歳を重ねるにつれ、私の見た目から甘さが抜けたことで、〝着たい服〞と〝似合う服〞の折り合いがつくようになりました。

例えば、以前ならかっちりし過ぎると感じていたテーラードジャケットや、少し派手に見えていた光沢のあるサテンワンピースも、今は華やかになり過ぎず、身構えることなく着られるようになりました。そういった特別感のある服を日常着にできるようになったのは、元々きれいめな着こなしが好きな私にとって、うれしい発見です。また、これまでは、背が低いためにバランスが取りにくかった太めのタックパンツも、薄手の素材を選べばはけることに気づきました。

選ぶ服が変わってきたのにはもうひとつ理由があって、それは体型の変化。体重はあまり変わっていないのに、ウエストとヒップの差がだんだんなくなってきているのです。十年ほど前によく着ていた、ウエストがタイトなワンピースは、もう着られなくなりました。とはいえ、残念な気持ちより、実はわくわくのほうが勝っていて、服選びがさらに楽しくなっています。

最近は格好いい雰囲気に見える服の力を借りて、コーディネートするようになりました。アウターなら細身のテーラードコートを、ワンピースなら濃い色の、縦のラインが際立つすっきりしたシルエットのものを。今の自分に合ったルールを幾つか決めておくと、迷わずに選べて気持ちよく着られます。

歳を重ねてよかったことのひとつが、純粋に自分のためにおしゃれするようになったこと。若い頃は、人からどう見られるかを意識した服選びをしていたような気がします。今は、自分が好きならそれでいいと開き直れるように。ピンタレストなどで、七十代、八十代の素敵な先輩たちを見ていると、「おしゃれに年齢は関係ない」と、勇気をもらえます。私の今の目標は、「七十代になった時に、穏やかで格好いい人になっていること」。着たい服を着て、街を颯爽と歩いている七十代の自分を想像しつつ、今だからこそできるおしゃれを、思う存分、謳歌しようと思っています。

 


新調したコートは、スリーシーズン着られる一枚仕立て。以前はノーカラーやステンカラーのものを選んでいたけれど、今はテーラードカラーがキリッと見えて、自分に馴染む気がします。


photo:大森今日子

 


 

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Profile

内田彩仍

Ayano Uchida

福岡県に夫と愛猫と暮らす。丁寧な暮らしぶり、センスある着こなしが雑誌などで人気を集める。主な著書に『いとおしむ暮らし』『家時間』『幸せな心持ち』『変えること変わらないこと』(主婦と生活社)などがある。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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