お米屋さんのおかず帖vol.1 豆腐の副菜
東京・自由が丘にある「白山米店」のお母さんは、ごはんが止まらなくなるおかず作りの名人。ぱぱっとできるから、作るのがおっくうにならないポイントとともに、定番レシピを教えていただきました。
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米屋に嫁いで35年。“ごはんがおいしく感じるおかず”を第一に考えて、台所で工夫を重ねてきました。23年前からは、「近隣の方々に、おいしいごはんと、ごはんの進むおかずを食べてホッとしてほしい」と思い、お弁当販売も。気をつけているのは、しょっぱい、甘い、酸っぱい、辛いなど、いろいろな味が楽しめること。シャキシャキ、ふわふわ、もちもちと、食感も多彩に楽しめるように献立を考えています。あまり凝ったことはせず、食べた瞬間、使われている食材が想像できるような素直な味に仕上げると、ごはんが進むのかなあと思っています。
ちなみに、わが家の食事情ですが、子どもたちが巣立ち、基本は夫婦ふたりの食事になりました。こってり派だった夫も、さっぱりしたものを好むようになり、酢の物、白和えなどやさしい味のおかずが増えつつあります。私自身、歯に自信がなくなってきたので、野菜を薄く切ったり、火をしっかり通したりするようになりました。
高たんぱく質で栄養豊富な豆腐。「あと一品」という時にぱっと出せて、ありがたい存在ですね。冷ややっこはそのままでもおいしいですが、トッピングをすればボリュームのあるおかずになります。
おなじみの材料で
もやしメンマの冷ややっこ
余った〝もやしメンマ〞は冷蔵庫で3日くらい日持ちします。ラーメンにのせたり、青菜やわかめと和えたりと様々に使えます。副菜がおいしそうだと手抜きに見えなくていいですね。手軽に作れるものほど、盛りつけや色合いをちょっと工夫すれば食卓が充実します。
【材料(2人分)】
豆腐(木綿)… 1/2丁
もやし… 1袋
メンマ(市販の味つきのもの)… ひとつかみ
A|しょうゆ… 小さじ2
|酢… 小さじ1
|みりん… 小さじ1
B|粗塩… 小さじ1強
|すりごま… 小さじ1
|ごま油… 小さじ1
かいわれ大根… 適量
ラー油… 適量
【作り方】
❶ もやしは洗って水にさらしておく。メンマは手で裂いて、もやしと同じくらいの太さにする。Aは混ぜ合わせる。
❷ もやしの水けを切り、さっとゆでるか、耐熱容器に入れ軽くふたをして600Wの電子レンジで1分加熱する。温かいうちにBを混ぜる。冷めたらメンマを加え混ぜる。
❸ 半分に切った豆腐をそれぞれ器に盛り、②を適量ずつのせる。かいわれ大根を散らし、Aとラー油を適量まわしかける。
ポイント:火の通りの早いもやしは、レンジ加熱もあっという間。時間も洗いものも少なく済みます。
栄養も食べ応えも十分
アボカドちくわの冷ややっこ
ビタミンBやC、カリウムなど栄養が豊富なアボカドは、積極的に取り入れたい食材です。ナッツ類もビタミンEや食物繊維が豊富で、食感の変化もつくので、サラダや炒め物のアクセントに重宝します。
【材料(2人分)】
豆腐(絹)… 1/2丁
アボカド… 1/2個
ちくわ… 1~2本
A|酢… 小さじ1
|オリーブオイル… 小さじ1
|粗塩… ひとつまみ
|柚子こしょう… 小さじ1/4~1/2
玉ねぎ(みじん切り)… ひとつかみ
ピーナッツやクルミ(粗みじん切り)… 少々
オリーブオイル… 適量
【作り方】
❶ アボカドは1.5㎝角、ちくわは5㎜の厚さに切り、ボウルに入れてAと和える。
❷ 豆腐の厚みが1/2になるように切ってそれぞれ器に盛り、①の半量ずつをのせる。仕上げに、玉ねぎとナッツを散らし、オリーブオイルをまわしかける。
ポイント:下ごしらえなしでたんぱく質がとれる魚の練り物は、冷蔵庫にストックしておくと安心です。
「“これから”の暮らしと食卓」より
illustration:はまだなぎさ text:鈴木麻子
Profile
寿松木衣映
東京・自由が丘にある「白山(はくさん)米店」を夫と営む。毎週水曜に販売される、寿松木さん手作りのお弁当がおいしいと話題に。著書に『自由が丘3丁目 白山米店のやさしいごはん』(ミシマ社)がある。
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