お米屋さんのおかず帖vol.1 豆腐の副菜

大人暮らし これからの食卓
2020.01.20

東京・自由が丘にある「白山米店」のお母さんは、ごはんが止まらなくなるおかず作りの名人。ぱぱっとできるから、作るのがおっくうにならないポイントとともに、定番レシピを教えていただきました。

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米屋に嫁いで35年。“ごはんがおいしく感じるおかず”を第一に考えて、台所で工夫を重ねてきました。23年前からは、「近隣の方々に、おいしいごはんと、ごはんの進むおかずを食べてホッとしてほしい」と思い、お弁当販売も。気をつけているのは、しょっぱい、甘い、酸っぱい、辛いなど、いろいろな味が楽しめること。シャキシャキ、ふわふわ、もちもちと、食感も多彩に楽しめるように献立を考えています。あまり凝ったことはせず、食べた瞬間、使われている食材が想像できるような素直な味に仕上げると、ごはんが進むのかなあと思っています。

ちなみに、わが家の食事情ですが、子どもたちが巣立ち、基本は夫婦ふたりの食事になりました。こってり派だった夫も、さっぱりしたものを好むようになり、酢の物、白和えなどやさしい味のおかずが増えつつあります。私自身、歯に自信がなくなってきたので、野菜を薄く切ったり、火をしっかり通したりするようになりました。

高たんぱく質で栄養豊富な豆腐。「あと一品」という時にぱっと出せて、ありがたい存在ですね。冷ややっこはそのままでもおいしいですが、トッピングをすればボリュームのあるおかずになります。

 

おなじみの材料で
もやしメンマの冷ややっこ

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余った〝もやしメンマ〞は冷蔵庫で3日くらい日持ちします。ラーメンにのせたり、青菜やわかめと和えたりと様々に使えます。副菜がおいしそうだと手抜きに見えなくていいですね。手軽に作れるものほど、盛りつけや色合いをちょっと工夫すれば食卓が充実します。

【材料(2人分)】
豆腐(木綿)… 1/2丁
もやし… 1袋
メンマ(市販の味つきのもの)… ひとつかみ
A|しょうゆ… 小さじ2
 |酢… 小さじ1
 |みりん… 小さじ1
B|粗塩… 小さじ1強
 |すりごま… 小さじ1
 |ごま油… 小さじ1
かいわれ大根… 適量
ラー油… 適量

【作り方】
❶ もやしは洗って水にさらしておく。メンマは手で裂いて、もやしと同じくらいの太さにする。Aは混ぜ合わせる。
❷ もやしの水けを切り、さっとゆでるか、耐熱容器に入れ軽くふたをして600Wの電子レンジで1分加熱する。温かいうちにBを混ぜる。冷めたらメンマを加え混ぜる。
❸ 半分に切った豆腐をそれぞれ器に盛り、②を適量ずつのせる。かいわれ大根を散らし、Aとラー油を適量まわしかける。

ポイント:火の通りの早いもやしは、レンジ加熱もあっという間。時間も洗いものも少なく済みます。

 

栄養も食べ応えも十分
アボカドちくわの冷ややっこ

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ビタミンBやC、カリウムなど栄養が豊富なアボカドは、積極的に取り入れたい食材です。ナッツ類もビタミンEや食物繊維が豊富で、食感の変化もつくので、サラダや炒め物のアクセントに重宝します。

【材料(2人分)】
豆腐(絹)… 1/2丁
アボカド… 1/2個
ちくわ… 1~2本
A|酢… 小さじ1
 |オリーブオイル… 小さじ1
 |粗塩… ひとつまみ
 |柚子こしょう… 小さじ1/4~1/2
玉ねぎ(みじん切り)… ひとつかみ
ピーナッツやクルミ(粗みじん切り)… 少々
オリーブオイル… 適量

【作り方】
❶ アボカドは1.5㎝角、ちくわは5㎜の厚さに切り、ボウルに入れてAと和える。
❷ 豆腐の厚みが1/2になるように切ってそれぞれ器に盛り、①の半量ずつをのせる。仕上げに、玉ねぎとナッツを散らし、オリーブオイルをまわしかける。

ポイント:下ごしらえなしでたんぱく質がとれる魚の練り物は、冷蔵庫にストックしておくと安心です。


→vol.2につづく


「“これから”の暮らしと食卓」より
illustration:はまだなぎさ text:鈴木麻子

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Profile

寿松木衣映

Kinue Suzuki

東京・自由が丘にある「白山(はくさん)米店」を夫と営む。毎週水曜に販売される、寿松木さん手作りのお弁当がおいしいと話題に。著書に『自由が丘3丁目 白山米店のやさしいごはん』(ミシマ社)がある。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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