今日だけのおへそ ― 「サンデーベイクショップ」嶋崎かづこさん vol.1

暮らしのおへそ
2020.03.11

未来を計画するよりも
いつかを心配するよりも
今日を楽しむことのほうがずっと確か。


前日から生地を仕込み、オープン直前に次々とお菓子を焼き上げる。最後にカウンターの上に並んだお菓子のディスプレイを微調整するのが、嶋崎さんの大切な役目。

 

スコーン、キャロットケーキ、ビクトリアスポンジ……。「サンデーベイクショップ」を訪れると、カウンターの上いっぱいに焼き菓子が並んでいます。その風景を眺めているだけで何とも幸せな気分になります。

奥のキッチンで、せっせとスコーンを型で抜いているのが、店主の嶋崎かづこさんでした。作って焼いてすぐにお店へ。その距離感こそ、この店の魅力なのかもしれません。昨年11月、新しいお店がオープンしたばかり。

「以前の店はオーブンが小さくて。今は倍の大きさになったので、お菓子をたくさん焼けるようになりました。今はまだ新店舗だけで精いっぱいですが、元の場所は大好きだから、いずれは2店舗でやりたいと思っています」


寝かせておいた生地を型で抜いてスコーン作り。

 

嶋崎さんの口調はとても特徴的。そのリズムはゆったりのんびり。なのに、キッチンに立った途端、その作業の手早いこと、よどみない動きの美しいこと! お菓子を焼くことが楽しくてたまらないことが伝わってきます。でも、「お店を出したかったわけじゃないんです」と聞いてびっくり!

「もともと高校生の頃に、みんなが集まれる場がつくりたかっただけ。1階がカフェで、2階が美容室で、3階が古着屋みたいに。だったら私がお菓子を焼くか、っていうノリですね」

製菓学校を卒業後、地元金沢のカフェレストランで働いた後、上京。コーヒーショップでアルバイトを。

「楽しかったですね~。私ね『毎日の店』が好きなんです。同じ人が同じ時間に来てくれて、『あ、今何時だな』ってわかる。お客さんも、『じゃあ、行ってきま~す』みたいな、そんなお店」

コーヒーショップの横にあったデンマークのキッチンウェアブランド「ボダム」から声をかけられ、新店舗のオープンを手伝うことに。ここでスコーンやマフィンを作りはじめます。

「一日に500個、1000個と作ることに疲れてしまって……。その頃友達のイベントのためにお菓子を作ってと頼まれて、その場の世界観に合わせて作る楽しさを知ったんです」


ケーキを説明するポップも、すべて嶋崎さん自らが書く。文章からは、お菓子への愛情が伝わってくるよう。

 

→vol.2につづく


『暮らしのおへそ Vol.29』より
photo:近藤沙菜 text:一田憲子

 

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Profile

嶋崎かづこさん

Kazuko Shimazaki

製菓専門学校卒業後、コーヒーショップでバリスタの知識と技術を磨く。「ボダムショップ」でお菓子とドリンクのプランニング、製造に携わる。いがらしろみさんとお菓子ユニット「ビスキュイティエ」を結成。解散後、フリーのお菓子屋となり、2009年東京・初台に焼き菓子の店「サンデーベイクショップ」を開く。昨年2号店をオープン。

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