脚本家・木皿泉の幸福論 Vol.6

暮らしのおへそ
2017.02.15

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Vol.5はこちらから 

大切な人がそばにいて
明日食べるものがあればそれで幸せ。
もしかしたら、そう思えなかった過去の自分に
「大丈夫だよ、人生ってそんなに悪くない」って
伝えたくて物語を書いているのかもしれないですね。

「筆が遅いのはいつものことだけど、
オンエアの段階でもまだ次の話を書いていなかったりして、
100人以上のスタッフを待たせているんだからひどいですよね。
それでも、また一緒にやろうといってくれる人がいるんだから本当に有難い。
そういう人達とは絶対いい仕事ができる。
やっぱりいちばんすごいのって、才能よりなにより、人の情熱の力だと思うから」

木皿さんの現場を支えるスタッフは、採算度外視で、
熱い情熱を注ぐ人ばかり。みんな木皿作品の熱烈なファンであり、
木皿さんの生き方に惚れ込んでいるように見えました。

 

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ぎっしりと詰まっている本棚がリビングを囲む。ジャンルは多岐に渡り、
脚本作りのアイデアの源でもある。整理係りは和泉さん。

しかし、どうして七転八倒の大変な思いをしても書き続けるのでしょうう?

「オファーされて、なんとなくアイデア出しているうちに、
なぜか書かざるを得ない状況になっている(笑)。
あとはやっぱり、どんよりとした日常の連続にうんざりしている、
かつての私のような人を励ましたいのかな。
大丈夫、そのままでここにいてよし!って思ってほしいから」と妻鹿さん。

運命的な出会いから、木皿泉として書き続けてもう27年が経ちました。

「ふたりでずいぶん遠くへ来たね、トムちゃん。
私たちにしかできないやり方でやってきたのがよかったのかもね」

「病気のことで、迷惑かけて申し訳ないな、とは思っているけど、
2人で乗り込んだこの船でいけるところまでいくしかないな、トキちゃん」

荒波に漕ぎ出すことを恐れずに、なにがあっても大丈夫、
と運命を共にする、そんな二人の生き方に、幸せのカタチを見た気がしました。

 

『暮らしのおへそVol.22』より

text:木村愛 photo:興村憲彦

 

Profile

木皿泉

KIZARA IZUMI

和泉努と妻鹿年季子による夫婦脚本家。2003年連続ドラマ『すいか』で向田邦子賞を受賞。2005年年『野ブタ、をプロデュース』、2010年『Q10』など人気ドラマを多数手がける。2013年、初の小説『昨日のカレー、明日のパン』(河出書房新社)を上梓。NHKで放映されたドキュメンタリーを収録した『木皿泉~しあわせのカタチ~DVDブック』も話題。

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