疲労を回復するための正しい姿勢ってどんなもの? vol.3

からだ修行
2017.05.19

今月の先生:「疲労回復専門店PAUSE」丸山祥一さん

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そして続けて先生は、感情と身体は、大いに関係があると話してくれました。

「たとえば『悲しみ』が強いときは肺に来ます。息が苦しくなって、胸がつまったような感じになる。足腰に来るのは『不安』です。地に足がつかかい、足元がふらつくのは不安です。そういう時の姿勢は『へっぴり腰』になっていると思います。だから不安なときは腰痛になりやすいし、『一歩進みたい』と思っているのに、心がついていかないときなどは、腰が痛くなりやすいんです」

「……ということは、私の慢性的な腰痛は、日々原稿に追われている不安からなんでしょうか?」と尋ねると、「そういう側面もあるでしょうねえ(ニヤリ)」と先生。「腰が痛いというのは、『何かをやめたい』という感情ともリンクします

「でも先生、仕事なので原稿をやめて、放り投げることはできませんよね……(涙)」。「そこも意識の使い方です。『原稿が主』なのか、『私が主』なのか。その意識を変えるだけでも、また身体は変わってくるんです」
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原稿という仕事が主で、それに従っている私という図式にしてしまうと、身体はそれが嫌で逃げ出したくなってしまうから、「痛み」として拒否反応が出る。そうではなく「私が」主役で、「私が」仕事をするのだと絶えず意識をするようにすると、脳と身体の感覚が同じ方向に向かう。痛みや身体の不具合は、脳と身体がチグハグだから起こることが多い。だから常に「意識」に注意して、細やかに組み直すことを続けると、身体にも変化が現れるのだそう。

身体の感覚に間違いはないんですよ。嫌なときは嫌な姿勢をしているし、頑張ろうと思うときは頑張る姿勢をしている。心を緩めるような話をすれば、背中の力が抜けていく。だから逆に、身体にとって楽な姿勢でいると、心も楽になることが多いんです」。

姿勢は習慣化されてしまうから、いつも悲しい思考回路になる人はもしかして、悲しい姿勢が常態になっているだけかもしれません。やたら怒りっぽい人も、その人の姿勢が関係している可能性もあるのです。

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「でも、悲しいときは悲しくていいし、怒りたいときは怒っていんです。それが人間だから。大事なのは、そこからまたニュートラルな状態に戻れるしなやかさ、やわらかさを持てること。そして自分の意識がどこにあるのかを、ふっと客観的に眺められるような心の持ち具合が、自分をラクにする秘訣かもしれません」

はーーーっ……。身体には最低限ふれるだけ、ほとんどが話を聞いているだけなのに、その間に何だか姿勢にも変化が現れてきました。

実はその後先生に、背骨から見る田中の性格や仕事に対する姿勢なども、ズバズバと言い当てられてしまいました。今まで誰からも指摘されなかったことで、家族くらいにしか見せていないような素の部分までをきっぱり読み取られてしまい、「何でバレた!」「おっしゃる通りです(冷や汗)」「いやいや、参りました」と、脱帽の連続でありました。
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しかしそうやって普段「人に見せていない素の部分」は、自分自身すらも見過ごしたり、ないがしろにして、無意識に「身体」と「心」の分断を引き起こす原因にもなります。それよりも「実は私ってホントはこうなんだよな」と認めてあげて、意識することで、自分自身をラクにしてあげる。そういうことが腰痛を始めとした不調を取り除く、きっかけにもなるようです。
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さて、そういったカウンセリングがひと通り終わったら、施術のお時間。先生曰く「これはほとんど、オマケの時間」とのこと。カイロプラティックの技術をベースに先生のオリジナルの手わざを組み込み、凝っているところをもんだりほぐしたり、流れをよくしてあげたり。けれどこういう「他人から与えられる施術」とくらべ、「本人の意識の変化」のほうが、何倍もの効果が現れるとのこと。それこそが先生が考える、このサロンの目的でもあるのです。
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施術を終えて、再び床に立ってみると、背筋にすっと一本何かが通った感じがします。そしてしっかり地面を踏みしめているような感覚。すっきりと「立てている」感じ。おおお、この感覚を忘れないようにしなくては。姿勢というものの考え方が、ガラリと変わった「PAUSE」でのひととき。ここで学んだことは、今後の仕事中の姿勢に、じっくりと生かしていけそうです。

photo:砂原 文 text:田中のり子

疲労回復専門店 PAUSE(ポーズ)

東京都武蔵野市吉祥寺南町2-3-15バローレ吉祥寺Ⅰ 1009
TEL:080-4118-1674
営業時間:10:00~22:00
営業日:月、水曜
施術料:10,000円(60分)
http://pause-kichijoji.com/

Profile

丸山祥一

Shouichi Maruyama

東京・杉並区生まれ。青春時代を福岡で過ごし、東京に戻る。専門学校でカイロプラティックの技術を学び、専門院で修業。その後接骨院で働き、独立。池袋で接骨院を運営。自分が考える新しい理想の施術を求めて、東京・吉祥寺に「疲労回復専門店 PAUSE」をオープンする。

田中のり子

noriko tanaka

衣食住、暮らしまわりをテーマに、雑誌のライターや書籍の編集を行う。『ナチュリラ』(主婦と生活社)は創刊当初からのスタッフ。構成・執筆をした『これからの暮らし方2』(エクスナレッジ)が好評発売中。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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