【自分を知った大人服】渡邊笑理さん アーティスト・「ヌーテル」

大人になったら、着たい服
2019.01.08

絵を描くように

思うがままに

装いたい

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窓辺にすっと立つ渡邊さんが着ていたワンピースは、洋装店を営むお父様が縫ってくれたものなのだとか。裾や胸まわりには、自身で馬や鳥、草花などをのびやかに刺しゅうしました。

3年前から、「ヌーテル」という名前で、ミシンを使って布に刺しゅうを施すアーティストとして活動を始めた渡邊さん。「ヌーテル」とは、関西弁の「縫うてる」からと聞いて、思わず笑ってしまいました。

滋賀県の自然豊かな田舎町で、縫製工場を営む両親の元で育ったそうです。幼いころから絵を描くことが大好きで、美術大学ではテキスタイルの勉強を。卒業後は親戚のデザイン事務所で20年間勤務。ところが……。

「40歳を目前に、ふと『このままでいいの?』と自分に問いかけるようになったんです」

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その少し前から、ミシンを使った刺しゅうを始めていたそう。

「イギリス旅行で立ち寄ったフリーマーケットで、ミシンと版画を組み合わせた絵を1枚買ったんです。私と同じような人がいるなあと思って。帰国後『笑理ちゃんが好きそう』と勧められて友人のレコードショップで買ったCDを開くと、なんと私が買ったあの絵がジャケットになっていました。それがミュージシャンのレイチェル・ダッドさんです。彼女とは、のちに一緒にライブをやったんですよ。彼女の姿は、『表現する』ということのすばらしさを教えてくれました。そして、今までいろんな経験をしてきた中で、自分は何をしているときがいちばん楽しいだろう? と整理して、最後に残ったのが絵を描くことだったんです。そして、ペンをミシンに持ち替えて、ミシンで絵を描く人になろうって決めたんです」

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そんな渡邊さんのおしゃれは、いつも感覚的です。服を選ぶ理由は「好き」か「嫌い」か。今着ているワードローブは、古着か、身内や友人の作った服、それと自作の服くらい。ストライクゾーンは極端に狭いよう。

なのに、とびっきりのおしゃれさんに見えるのは、「渡邊さんらしさ」と洋服がぴったり寄り添っているから。

おしゃれとは洋服を組み合わせるノウハウだけでなく、自分らしさを描き出すもの。まるで絵本のワンシーンから抜け出してきたような渡邊さんの佇まいがそう語っているようでした。

 

photo:回里純子 text:一田憲子


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Profile

渡邊笑理

わたなべ・えり

美術大学でテキスタイルを学んだ後、親戚が営むデザイン会社で、雑貨やファブリックの企画、デザインを手がける。3年前に退社。「ヌーテル」の屋号で、ミシンで絵を描くように刺しゅうをするアーティストとして活動を開始した。

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