おばあちゃんから引き継ぐタータンチェック

　みなさん、はじめまして。
　今月から月に1回、北国の暮らしを紹介させていただきます、馬狩まどかと申します。私は、北海道の周囲を田畑に囲まれた土地で、夫と娘2人の家族4人で暮らしています。年月を重ねたものやその土地のものに手を加えながら、できる限り長く大切にできたらいいなと思い、中古住宅をDIYして少しでも暮らしやすくしたり、ご近所の農家さんからいただく季節のお野菜でお料理や保存食を作ったりして過ごしています。

さて、第1回目のお話は、今から50年前に私の母が着ていたお洋服を娘たちへと引き継いだお話です。どうぞ最後までお付き合いくださいね。

　唐突ですが、みなさんは好きな柄のお洋服はありますか？
　私は「タータンチェック」が大好きで、見つけるとつい買ってしまうアイテムのひとつです。中でもこのロイヤルスチュアート（赤いタータンチェック）は身に着けるととてもハッピーになります。
　私は、小さなころからいわゆる「女の子らしい」とされる赤やピンクが苦手で、自分ではなかなか選ばない色でしたが、高校が私服の学校で日々のオシャレを楽しむようになってからは、選ぶ色のバリエーションもぐっと増えて赤系も身に着けるように。そのきっかけが、私の母が若かりし頃に来ていた「タータンチェックのワンピース」です。

　私の両親はアイビールックがとても好きで、若いころのお洋服は、チェックのスカートやワンピース、ダッフルコートに紺のブレザー。高校生の私にとって、とても素敵なお下がりがたくさんありました。
　特にこのタータンチェックのワンピースは、7分丈の袖がかわいくて、友人たちから大好評だったお洋服です。褒められたのがきっかけで、赤いスカートやピンクのボタンダウンシャツを購入して着るようになりました。おしゃれの幅が広がり、自分の好きなものがはっきりとわかるようになったのも、嬉しい収穫でした。

　ちょうど、若かりし頃の母と高校生の頃の私、そして今12歳の長女の体形がとても似ていることもあり、私が高校生の頃に着ていたお洋服を長女に引き継ぐことにしました。ワンピースの丈もぴったりで着心地もよく、長女も大喜び！
「え？これをおばあちゃんが着ていたの？」と子どもたちはびっくりしつつ嬉しそう。

　もうひとつ、母から譲り受けたのは、タータンチェックのダッフルコート。これは父がアルバイト代を貯めて母にプレゼントしたものなのだそう。

　母の大切なものが50年という月日を経て、また新たに活躍の場ができるなんて、本当に素敵だなと思います。
　両親が時代に流されないものを選び、それを大切に手入れをし、長い間保管する。すべてのお洋服を同じようにはできなかったけれど、数点でもこうして良い状態で長女に引き継げることを嬉しく思います。

　さて、私から子どもたちへ引き継いだお洋服は、プリーツスカート。こちらは私が高校生の時にアルバイト代で購入したものです。9歳の次女でもサイズはやや大きめながらも着ることができました。

　私は社会人になってからもこのスカートをはいていたので、子どもたちにも長く楽しんでもらえたらいいなと思っています。
　こちらは引き継いだものではないですが、5年前に子どもたち用に購入したマフラーも大活躍。

　私たちの住む地域は豪雪地帯。雪景色はとってもきれいですが、大雪になるとお出かけもままならない場所なので冬が憂鬱になることもしばしば。そんな季節だからこそ、ハッピーになるアイテムでお出かけ時間を楽しく嬉しくできるようにするのも、ここでの時間を豊かにするコツでもあります。

　雪景色の白にも映える、かわいいロイヤルスチュアート。母から引き継いだずっと愛される柄をまとって、親子で冬のおしゃれを楽しみたいと思います。

　それでは、次の北国暮らしの記録でまたお会いしましょうね。