内田彩仍さん 「秋 ~愛猫クリムとひと休み~」

特集「季節の暮しと服支度」
2016.11.10

久しぶりに着こなしと日々の暮らしをテーマにした新刊『季節の暮らしと服支度』を出版した内田彩仍さん。発売後すぐに重版が決まったこの本には、「こんなふうに季節を感じたい!」「自分を見つめるきっかけになりました」など、読者の方からたくさんの反響をいただいています。そこで、「まだ読んでなかった!」という方のために、今週はこの本を大特集。春・夏・秋・冬のお話を少しずつお見せしますね。

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「愛猫クリムとひと休み」

毎朝、六時前になると、
「にゃ、にゃ」と繰り返しながら、
ごはんコールをしてくる愛猫のクリム。
夫の残業に合わせ、夜更かしすることもあるから、
クリムの体内時計の正確さには、
ちょっと困りものなのです(笑)。

そんなクリムも早いもので、
九歳になりました。
子猫の頃からとても臆病で、
いつも私のそばにいる、大切な家族です。

最近は以前に比べ、
寝ていることも多くなったけれど、
今、赤い光を追いかける遊びが
クリムの中で大ブームで、
それをしようと私を誘うため、
パソコンの上に乗ってみたり、
重ねている本を倒してみたり。

その必死さがまたかわいくて笑ってしまい、
私も観念して、一緒に休憩するようにしています。


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ブランケットをかけた私の足の上で眠るクリム。起こさないよう我慢して、足がしびれてしまうことも。

 

クリムがわが家に来た頃は、
私はまだ自分が若いつもりで、
仕事がひと区切りつくまで、
夜更かしも、徹夜することもありました。

あるとき、疲れがたまったからか
病気になってしまい、
休息することの大切さに気づきました。

それまでは、何か用事があるのに休んでいると、
つい怠けているように
感じてしまっていたようです。
休むことも仕事のうち。
そう思うと気持ちが楽になりました。

秋が深まりゆくと、縫い物をしたり、
原稿を書いたりするときは、
冷えないよう、ウールのブランケットを
膝かけ代わりにしています。
すると、クリムが寄ってきて、
私の足の上でごろんと寝ころぶのです。

寝顔を見ているだけでも、
あまりのかわいさに顔も心もほころんで。
起こすのもかわいそうだから、
クリムの顔の下に、枕代わりにそっと手を入れ、
一緒にうとうとして。

クリムはもしかしたら、
疲れている私に寄り添って、
一緒に休憩しようと、言っているのかもしれません。
そばにいるクリムに「いつもありがとう」と、
愛しい気持ちを伝えながら、
これからも一緒に、
大事な時を重ねていこうと思うのです。



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本を読んでいるときも、遊んでほしいとじっと見つめられるから、目が合うと微笑んでしまいます。

 

photo:大森今日子

 

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Profile

内田彩仍

Ayano Uchida

福岡県に、夫と愛猫クリムと暮らす。丁寧な暮らしぶり、センスある着こなしや手作りが雑誌やイベントで人気を集める。著書に『季節の暮しと服支度』(主婦と生活社)、『重ねる、暮らし』(マイナビ出版)などがある。

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