【大人のおしゃれアーカイブ】光野 桃さん Vol.2

大人になったら、着たい服
2018.12.12

女性ファッション誌の編集者を経てエッセイストに。おしゃれの第一線を駆け抜けてこられたのに「私は、ちっともおしゃれなんかじゃない。ただ、おしゃれに焦がれ続けてきただけ」と光野さんは語ります。

「私は私のままでいい」と自分を認められたのは、還暦を迎えたころでした。今年62歳になり、バッサリと髪を切った光野さんに、ご自身のおしゃれと人生についてうかがいました。


 

Vol.1から続きます

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卒業後は、当時コピーライターとして活躍されていた小池一子さんのアシスタントを経て、婦人画報社へ。女性ファッション誌『ヴァンサンカン』の創刊メンバーに加わりました。

32歳で結婚。会社を辞め、ご主人の赴任地ミラノへ。ミラノのマダムたちの姿から学んだのが、あの「着る側の心」だったというわけです。

「普通のものを普通に着て、こんなに素敵なんだ! ということを目の当たりにしました。そこには日本の

ようにデザイナーへの憧れはなく、ただ『着る側の心』があった。その気持ちを私は書きたいと思って」

当時光野さんが書かれた女性たちは皆、その裏側に暮らしや生きざまが透けて見え、だからこそ、私たち

は夢中になって読んだものです。

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帰国後、エッセイストとして売れっ子になり、月の締め切りはなんと40本。ところが……。書いても書いても書いたものが気に入らない……。

「なぜ自己肯定感を持てないのだろう? と、ずっと鬱々として……。たまたま夫の転勤が決まったので、逃げ

るようにして東京をあとにしたんです」

こうして45歳でバーレーンへ。心身ともに疲れ果てて、しかも3年後には、お母様の介護のために単身帰国。在宅介護で無理をしたため、体力の限界を超えてしまい、見送られたあとは自分が使いものにならなかったそう。そんなとき、友人が山へ誘ってくれました。

「50歳になって自然に開眼しました。50代は、本もなかなか出しづらかったし、社会的な立場を求めることは人生のメインではなく、おだやかな自然の中で仲間たちと過ごすのがいいのかなと考え始めていました」

Vol.3へ続きます

 

photo:大森忠明 text:一田憲子

『大人になったら、着たい服 ‘18-’19秋冬』より抜粋

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Profile

光野 桃

Momo Mitsuno

エッセイスト。小池一子氏に師事した後、女性誌編集者を経て、イタリア・ミラノに在住。帰国後、文筆活動を始める。1994年のデビュー作『おしゃれの視線』(婦人画報社刊)がベストセラーに。以後、ファッション、体、自然を通して女性が本来の自分を取り戻すための人生哲学を描く。主な著書に『あなたは欠けた月ではない』(文化出版局)、『自由を着る』『おしゃれの幸福論』(KADOKAWA)など。

http://mitsuno-momo.jp

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