【リノベーションの基礎知識④】ローンや金利・お金の話

Comehome!
2022.09.28

※Come home! webに掲載された記事を転載しています


マイホームは一生で一番大きな買い物と言ってもいいでしょう。購入の際はほとんどの人がローンを利用しますが、新築を買う場合と、中古物件を買ってリノベーションする場合では、利用できるローンの種類や条件が少し違っています。今回は、利用できるローンの種類、金利、減税、コストダウンのヒントについて、最低限知っておきたい基本をご紹介します。

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01 住宅ローンとリフォームローン

以前は、物件購入費用は「住宅ローン」、リノベーション費用は「リフォームローン」と分かれていました。それぞれの違いを説明すると、「住宅ローン」は、物件に抵当権を設定(担保設定)します。金利が安く、最長35年で返済プランが組め、借り入れの金額が高額(1億円までなど)なのも特徴。「リフォームローン」は公的融資と民間融資の2つに分けられます。公的融資には担保設定が必要で、高額を長期間借りられますが、工事内容に一定の条件があります。一方、民間融資は「有担保」と「無担保」のものがあり、無担保の場合は、借入金が500万円以下など、少額。これを15年といった短い期間で返済する設定で、住宅ローンより金利も高めです。現在は不動産購入費と工事費を合わせて「住宅ローン」として貸してくれる金融機関がふえています。

02 「住宅ローン」は以下の3種あります

「民間融資」

銀行や損保、ノンバンクなどが手がける住宅ローン。金利優遇や各種手数料が無料など、多彩なサービスが特長です。利用できるのは、一定の収入が将来も継続して見込める人。住宅ローンの対象物件の内容よりも、利用者の年収や勤続年数などの人的条件が厳しく審査される傾向があります。限度額の満額まで借りられる金融機関がふえ、なかには諸経費も貸してくれるところも。返済期間は最長35年、完済時の年齢は70~80歳というやや厳しい条件があります。基本は変動金利ですが、固定金利選択型や全期間固定金利型なども。「フラット35」に準じて、ローン保証料や繰り上げ返済手数料を無料にする金融機関がふえています。金利の動きを見極めながら返済計画を立てられれば、総返済額を低く抑えることも可能。

「フラット35」

住宅金融支援機構と民間金融機関の提携ローン。どこで借りても同じ条件というわけではなく、金融機関ごとに内容や金利が異なります。もともと、質のいい住宅をふやす目的で作られた住宅ローンなので、敷地面積や建築面積など決められている物件条件をクリアしないと利用できません。限度額8000万円以内であれば、全額融資を受けることが可能(今後改定される可能性あり)。ただし、全額が工事完了後の実行なので、自己資金がある程度ないと、民間のつなぎ融資と組み合わせて利用することが必要になります。返済期間は15年以上35年以内で、完済時の年齢は満79歳。全期間固定金利型が適用されます。ローン保証料や繰り上げ返済の手数料がかからず(ただし100万円以上)、保証人が不要。毎月の返済額が一定なので、将来の計画を立てやすいローンといえます。

「公的融資」

住宅金融支援機構が窓口の財形住宅融資は、働く人たちの財産形成を支援するための住宅ローン制度という性格があります。この制度を導入している会社に勤務している人が利用できる住宅ローン。必要な資格は、1年以上財形貯蓄を継続していて、残高が50万円以上ある人など。物件条件は「フラット35」に準じます。融資可能額は物件価格の80%で、貯蓄残高の10倍以内、最高4000万円まで。返済期間は5年以上35年以内、完済時年齢は満79歳。5年ごとに金利が見直される、独自の変動金利型が適用されます。融資可能額は、ほかのローンにくらべて低めですが、低金利なのが魅力。ただ、申請手続きが面倒で時間がかかるという点が玉に傷です。

03 ローンを組む際に選ぶ金利は主に3タイプ

「全期間固定金利型」

返済期間中はずっと金利が変わらないタイプ。返済額が最後まで同じなので、返済計画が立てやすいのがメリット。変動金利にくらべて、金利設定は高めです。「フラット35」がこれにあたります。

「固定期間選択型」

一定期間は金利が固定され、その後、変動か固定かを選択できるタイプ。固定時に優遇金利などを適用した場合、期間終了後に金利が跳ね上がる可能性も。ここでは25%ルール(変動金利型参照)はないので、注意が必要。

「変動金利型」

金融情勢によって金利が変動するタイプ。半年に1回金利が見直され、5年に1回は返済額も見直されます。ただし、金利が大幅にアップした場合でも、新返済額は旧返済額の1.25倍まで(25%ルール)と決められています。とはいえ、利息を多く払うことになるのは変わりません。

04 住宅ローンで借りれば住宅ローン減税が受けられます

住宅ローンを使う場合、「住宅ローン減税」が受けられます。リノベーション完了翌年の確定申告を忘れずに(次年度からは、勤務先での年末調整が受けられます)。住宅ローンの残高の1%相当分について、10年間、所得税および住民税から控除されます。ただし、工事内容などに条件がありますので、当てはまるかどうか確認が必要です。物件購入費用については、耐火建築物の場合は築25年以内、そのほかの建築物については築20年以内でなければ対象になりません。ただし、売買前2年以内に「耐震基準適合証明書」や「既存住宅性能評価書(耐震等級1以上)」「既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書」のいずれかの書類により、耐震基準を満たすことを証明された建物は、対象になります。

05 施主支給をうまく使ってコストダウン

施主支給とは、工事に使いたい建材や設備、照明器具などを、施主自ら取り寄せ、購入することをいいます。購入、運搬、配送の手配を自分ですることで、経費を含めたコストを削減できる場合があります。ただし、サイズが合わない、使用に問題があるなどといった場合、自己責任となりますので、理解したうえで施工会社と相談しながら行ってください。故障や不具合のあった際にも、原因が支給品にあることがわかった場合は、その点検自体から施工業者の責任の範囲からはずれるので、解決にかかる費用の負担も考慮に入れる必要があります。

この記事は、『マンションリノベーションで理想の家を手に入れる』から抜粋しています。


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