三日坊主を卒業するためのおへそ ― ヘアメイクアップアーティスト・藤原美智子さん vol.2

暮らしのおへそ
2019.10.22

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女性の「きれい」には、化粧品やメイクも必要だけど
それ以外にも大事なことがある。
それを伝えられる自分になりたいと思ったんです。

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メイクは、アイライン、リップライン、眉のラインと「ライン」に時間をかけると顔がぼやけることがない。洗顔は洗顔料をきちんと泡立てて丁寧に。

 

「帰国して、まずは車を買い、アンティークの指輪を買って……。どんどんお金はなくなっていったけれど、行動さえ起こせば、『いつか』は叶かなうんだ! と知りました。そして、翌年独立して、事務所をつくったんです」

46歳までは働きづめの日々。そんな生活がガラリと変わったのが、朝型の暮らしにシフトしてからでした。

「それまで、夜は飲み歩いて、帰宅は深夜2時、3時になることも(笑)。原稿は撮影から戻って夜中に書いていました。でも、朝読み返すと、まったくダメで書き直し……。無駄に時間を使うなら、夜は早く寝て、朝早く起きて原稿を書くことにしたんです」

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庭で摘んだミントとレモンバームでフレッシュなハーブティーを。サンルームでお茶を飲みながらマティスの画集を眺めるのが至福のとき。色や香りを感じることは、仕事の引き出しを増やしてくれる。

 

同時に食生活も見直して野菜中心に。こうして、暮らしを立て直したら、人生をもっと豊かに味わいたい、それには一緒に楽しめる人がいたらいいなと、48歳で出会った夫と50歳で結婚。ふたりでよく遊びに行っていたという伊豆下田に家を建て、今では、東京と下田を行き来しながら生活しています。

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右:庭の菜園で収穫を。夫婦で野菜作りの教室に参加したそう。/上右:ルッコラやパプリカなど、もぎたて野菜でガーデンサラダを作る。/上左:週末の食事の支度は夫がメインシェフ。/下:金目鯛の干物にハーブをのせて、オリーブオイルをまわしかけてオーブン焼きに。

 

外から見ると、藤原さんの暮らしの変化には目を見張るばかり……。でもそれは、木の実が熟してポトリと落ちるように、いつも自然に訪れたのだと言います。新しいことをやってみて、たんたんと続けていけば、それが当たり前の習慣となり、いつの間にか自分を支える「おへそ」となる……。

藤原さんのしなやかな美しさは、コツコツと時をかけて積み上げたものが、暮らしのなかから自然にこぼれ出たものだと知りました。

 

「暮らしのおへそ Vol.28」より
photo:枦木 功 text :一田憲子


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Profile

藤原美智子

Michiko Fujiwara

ヘアメイクアップアーティスト。「ラ・ドンナ」主宰。数々の女性誌やビューティーページで活躍し、「大人の透明感メイク」を牽引する存在に。ライフスタイルデザイナーとしても活動し、日常生活を動画や写真で紹介するインスタグラムや、自身のライフスタイルブランド「MICHIKO. LIFE」が人気。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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