お酒を呑んだ翌日の朝食

器店主の朝ごはん
2017.06.11

「神楽坂 暮らす。」はるやまひろたかさん Vol.2

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こんにちは。6月の「器店主の朝ごはん」を担当しております「神楽坂 暮らす。」店主のはるやまひろたかと申します。二回目となる今回も、どうぞよろしくお願いいたします。

 

photo & text : はるやまひろたか

 

 

朝ごはんの連載であるにも関わらずお酒の話で恐縮ですが、若い頃は夜遅くまで仲間とたくさん(水のごとく?笑)お酒を呑んだもの。でも最近はそういうことはなくなり、いろいろな銘柄の美味しいお酒を少しずついただいて、早い時間に切り上げることが多くなりました。

それでも調子に乗ってちょっと呑み過ぎたかな、と思う翌日は、胃も頭も瞼も重く、もうひとつ体調がすぐれないもの。ああ、二日酔い。後悔先に立たず…ですね。

 今回は、お酒を呑んだ翌朝の食事の話をしてみたいと思います。

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これまで幾度も積み重ねてきた苦い経験から言えるのは、呑み過ぎた翌日の朝を低いテンションのままで過ごしてしまうと、ダメ店主としてズルズルと自堕落な一日を送ることになってしまう、ということ。まずはしっかり水分を摂り、さらに二日酔い対策の食事をしっかり摂ることで、朝のうちに気力体力を取り戻しておきたいものです。

胃をやさしくあたためた方がよいので、本当はお粥を炊きたいところですが、朝食の鉄則は、時間がかかるものは避けるべし。そんなときには、にゅうめんを作ります。

出汁には、九州出張を重ねるうちにすっかり魅了されてしまったアゴ(トビウオ)を使用。また、呑んだ翌朝ということで、二日酔い退治のおまじないのごとく、汁の中にシジミを忍ばせます。すると五臓六腑に染みわたってゆくような独特の味わいが加わり、体の中の歯車がゆっくりと動き出すような感覚になります。(シジミは、砂抜きしたものを小分けにして冷凍しておくと、忙しい朝にもさっと使えて便利。お酒が好きな方にはおすすめ!)

 

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にゅうめんには、大きめの漆のお椀を使います。        

もともと匙を使う文化がなかった日本。汁物を食べるときには、器を手に持ち、縁に直接口を付けることになるわけで、熱が伝わりにくい木製の器を使うのは理にかなった知恵だと言えるのではないでしょうか。

それを踏まえれば、漆器=高級工芸品という思い込みは捨てた方がよいように思えてなりません。

漆は、木地の表面を保護するための装飾的なコーティング。「電子レンジと食洗器は使用しない」という大原則を守ればよいだけで、漆器の扱いが難しいということはないと思います。いざとなれば修繕することもできますし、普段の食事の際にも心おきなく使ってみたいアイテムです。

 

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この日は野草がブレンドされた漢方系のお茶をいただきました。

たっぷり飲みたいので、湯呑は大ぶりの土ものをチョイス。ぽってりとしたあたたかな風合いを持ち、手ですっぽりと包みこめる形状。外に反らした縁が唇にやさしく当たり、飲みやすさを実感することができます。

 

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ここでちょっと余談。

器ではなく道具の話になってしまうのですが、僕は麺類や野菜などを茹でるときには篠竹のざるを使ってお湯を切っています。

便利さから言えば、一般的にはステンレスやプラスチックなどの素材の方が好まれるのかもしれませんが、こういう類の道具って、使う人の「手のクセ」と共鳴するかどうかが重要。

僕がこのざるを長く愛用しているのは、縁の太さ、全体の深さ、竹ならではのしなやかさなどの特徴が、自分の手のクセと共鳴しているからだと思います。(ステンレスやプラスチックのざるも持っているけれど、結局使わなくなってしまいました)

断捨離が叫ばれるこの時代、器にせよ道具にせよ、「本当に愛着が持てるモノを所有する」というのは、ちょっと大げさな言い方をすれば、自分自身と向き合うということかもしれませんね。

殊に生活まわりのモノに関する限り、経済性を優先した大量消費という思考からはそろそろ抜け出したいところ。その際にひとりひとりの「手のクセ」というのは、自身の暮らしを見直す有効な判断材料のひとつになってくれるのではないかと思います。

 

では、また次回お会いしましょう!

 

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使った器

・村上修一さんの多用椀(大)

・廣川温さんの桜色粉引ボウル

・宮田竜司さんの菊花小鉢

・吉田崇昭さんの染付皿

・冨本大輔さんの豆皿

・大黒屋のらーめん箸

 

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神楽坂 暮らす。 by room+J design
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